エヌピーディー・ジャパンは10月11日、「ちょい飲み」市場の分析について発表した。この分析は同社が提供する外食・中食市場情報サービス「CREST」から、直近1年間(2015年9月~2016年8月)と前1年間(2014年9月~2015年8月)のデータを比較したもの。

外食・中食市場全体における夕食と夜の間食におけるアルコールを含む食機会数をみると、直近1年間で2%減少(前年同月比)していた。アルコールを外食・中食で飲む機会が減っているということになる。

「アルコールあり」食機会数・客単価の推移(夕食、夜の間食)

ラーメン・餃子店は、生ビール中ジョッキ310円という低価格で「ちょい飲み」を定番づけた先駆者「日高屋」が最高益を更新するなど、+37%と大幅増。ただ、客単価は300円近く減少しており、より低価格の「ちょい飲み」客が多くなっていることが分かる。ファミリーレストランも+3%とアルコール食機会を増やすことに成功している。

居酒屋全体では8.4%食機会数が減っているのに対し、1,999円以下の客単価層は6.6%減と居酒屋全体と比べると減少幅が小さい。居酒屋でも「ちょい飲み」需要を取り込めているといえるのが、この客単価の層といえそうだ。

一方で、4,000~5,999円は-16.1%と大幅に減少。4,000~5,999円は20%近くのシェアを占めており、"ちょっと高め"層の居酒屋離れは深刻といえる。6,000円以上の減少幅は-1.0%と非常に低い。

居酒屋「アルコールあり」食機会数の客単価別成長率(夕食、夜の間食)

「ちょい飲み」のシーンで、どんなアルコールが飲まれているのだろうか。1,999円以下の外食における「ちょい飲み」では、ビールが出現率73.4%と高く、4人中3人がビールを注文する計算になる。伸び率をみると、ワイン、酎ハイ、サワー、ウイスキーやハイボールが伸びている。1回のアルコール注文杯数は3.7と、1,999円以下でも意外と多く杯を重ねている。ビールの平均杯数を上回る種類も多く、一度に2種類以上のアルコールを飲んでいる人も多いことが分かった。

アルコール杯数増減率 1,999円以下「アルコールあり」食機会、夕食+夜の間食、外食、全業態

「ビール以外のアルコールの品ぞろえも強化することで、より「ちょい飲み」の需要獲得が期待できそうです。また、ビールだけではなく、カクテルやワインでの集客するサービス(タイムセールなど)も有効といえそうです」と調査では分析している。