東京ビッグサイトで9月23~25日に開催された「第56回 全日本模型ホビーショー」。クルマやバイクのラジコン・プラモデルなどの新製品が多数展示される中、来場者の視線をひときわ集めていたのがホンダ新型「NSX」の実車と模型だった。
新型「NSX」の実車が登場したのは、模型メーカー最大手のタミヤブース。国内での発売は来年ということもあり、実車を見られる機会が限られているだけに、模型ファンへの素敵なサプライズとなった。
並んで展示されていたのは、10月中旬発売予定の1/10電動RCカー。目の前で実車と比べてもると、ワイド&ローなフォルムやロングステーのドアミラーなど、再現性もなかなかのものだ。タミヤはこれまで、初代「NSX」のボディをGTマシンも含めて何タイプもリリースしてきた実績があり、新型「NSX」製品の今後の展開も期待される。
さらに、1/24のプラモデルキット「NSX フルディスプレイモデル」も同時期に発売予定。こちらはウインドウから離れた特徴的なリヤピラーや、V6ツインターボエンジンなど、細部まで実感豊かに再現されている。塗装や組み立てやすさへの配慮もうれしいポイントで、たとえばフロントマスクは、ボディ色の部分とメッキの部分、黒色のグリルとでパーツが分割されているとのことだ。
現行「デミオ」に2代目「ジムニー」、身近な国産市販車が模型に
さて、今年の全日本模型ホビーショーの会場では、レースマシンやスーパーカーよりも国産市販車のモデルが目立っていた印象だ。ラジコンでは、タミヤが1/10電動RCカー「マツダ デミオ」を会場発表。現行の「魂動」デザインが採用されたコンパクトなボディを実車と同じ前輪駆動のM-05シャーシに組み合わせていた。
京商は1/27スケールでドリフト走行が楽しめる「ミニッツAWDスポーツ MA-020S」シリーズに、ドリ車ベースの定番「日産 シルビア S13」と「日産 180SX」を追加。エアロ装着済みモデルのほか、ホワイトボディとオリジナルエアロの販売も予定されている。
プラモデルでは、実用性とホビー性の両面で幅広い層から支持されているスズキ「ジムニー」をハセガワがキット化。現行型ではなく、角張ったフォルムの2代目を開発中とのことで、モックアップが公開されていた。悪路でのサスペンションの動きを再現できる構造というから、ディスプレイの際にアイデアが広がりそうだ。アオシマは国内外で評価の高いランエボの最終型、三菱「ランサーエボリューション ファイナルエディション」をプリペイントモデルで発表。ボディはもちろん、内装やシャーシ、ブレーキローターにキャリパーまで塗装済みで、組み上げるだけという手軽さが魅力のシリーズだ。
ミニカーでは、ハイ・ストーリーという模型ブランドがトヨタ「スプリンターカリブ」や初代「ハイラックスサーフ」、日産の4代目「スカイライン」のワゴンなど、よく知られているのに模型ではあまり見覚えのない車種を多数ラインナップ。その中から会場発表の三菱「スタリオン」と、11月発売予定の日産「サニーカリフォルニア」の1/43レジン製モデルを紹介しよう。どちらも写真のカラーの他に純正色をひと通りそろえ、「サニーカリフォルニア」は実車でオプションだったウッドパネルの有無も選べるようになっている。
ハイ・ストーリーの1/43レジン製「MITSUBISHI STARION TURBO 2000 GSR-X(1982)」 |
ハイ・ストーリーの1/43レジン製「NISSAN SUNNY CALFORNIA 1400SGL(1979)」 |
ニンジャ、ヨンフォア、モンキー…国産二輪の名車も豊作
国産メーカーのオートバイのプラモデルキットも目についた。タミヤは2014年に発表された300馬力オーバーのクローズド専用スーパーバイク、カワサキ「Ninja H2R」をモデル化。複雑な形状のトレリスフレームやカーボン製ウイングパーツなど、近未来的なスタイリングを緻密に再現していた。
一方、アオシマは"ヨンフォア"ことホンダ「CB400FOUR」のプラモデルに398ccモデルを追加した。暴走族などの社会問題を背景とした1975年の運転免許制度改定で、408ccの従来モデルが大型車扱いとなったのにともない、"中免"でも乗れるように排気量を抑えて発売された国内専用モデルだ。ハンドルやサイドカバーなどの細かい違いが反映されている。
その他にも、アオシマはプライベートでの改造が人気の"4MINI"、ホンダ「モンキー」「ゴリラ」のカスタム仕様を発表していた。同車のカスタムパーツで古くから有名な「スペシャルパーツ武川」のTLシートやマフラー、オイルクーラーなどが付属するキットだ。
四輪・二輪ともに、最新のスーパースポーツをはじめ、親しみのある現行モデルから往年の名車まで、バラエティに富んだ国産車たちの模型が並んだ今年の全日本模型ホビーショー。その身近さが来場者の興味を引き付けていた様子だった。