西川産業(東京西川)はこのほど、アンチエイジングの観点から、東京西川の4層特殊立体構造マットレスの使用による睡眠の質への作用を検証し、その結果を明らかにした。

血中IGF-1の変化

同研究は抗加齢医学研究の第一人者である、同志社大学大学院生命医科学研究科/アンチエイジングリサーチセンターの米井嘉一教授と共同で行った。

加齢に伴う変化のひとつとして、睡眠の質の低下が挙げられる。そこで今回はアンチエイジングの観点から、敷き寝具による睡眠の質の改善の有無と、身体に与える影響について検証した。

被験者は「眠れない」「眠りが浅い」などの睡眠に不満を持つ男女11名。被験者に同社の4層特殊立体構造マットレスを4週間使用してもらい、使用開始前と4週間使用後に自覚症状の確認。身体計測、血液生科学検査、尿検査、唾液検査を行った。

その結果、4週間使用後は、成長ホルモンのセカンドメッセンジャー(二次的に産生される情報伝達物質)である「血中IGF-1」が有意に上昇しており、成長ホルモンの分泌が増加していることがわかった。

成長ホルモンは、入眠後2時間前後で分泌される睡眠関連ホルモンで、タンパク質合成や軟骨発育の促進、脂肪分解作用など多くの働きを持ち、「若返りのホルモン」とも呼ばれている。加齢と共に減少するため、分泌量の増加は「睡眠の質の改善によるアンチエイジング効果」が期待される結果となった。

また、酸化ストレスの指標である尿中8-OHdG(クレアチニン補正値)が有意に減少しており、睡眠の質の改善で抗酸化機能が上がる可能性が示唆された。酸化とは、体内の細胞やタンパク質などが活性酸素と結合することでサビつき、正常に働かなくなる反応のことで、ガン糖尿病など多くの疾病の原因となり得ると言われている。

尿中8-OHdG(クレアチニン補正値)の変化

血中HDL-コレステロール濃度も有意に上昇。HDL-コレステロール値は「善玉コレステロール」とも呼ばれ、全身の細胞内や血液中の余分なコレステロールを肝臓に送る働きを持つ。これまでHDL-コレステロールを上昇させる因子として「運動」が知られていたが、今回の検証によって、良質な睡眠がHDL-コレステロール値を増やす可能性があることがわかった。

血中HDL-コレステロール値の変化

睡眠障害の評価に用いられる「ピッツバーグ睡眠質問票」の結果では、睡眠の質、入眠時間、睡眠困難、日中覚醒困難の主観評価が有意に改善された。起床時の睡眠内省を評価する心理尺度「OSA睡眠調査票MA版」の結果では、起床時眠気、入眠と睡眠維持、疲労回復の主観評価が有意に改善されている。

ピッツバーグ睡眠質問票 試験結果