JR東日本は6日、「Suica」電子マネー用スマートフォン決済端末の検討・仕様策定に向けた試行を開始すると発表した。ソニーモバイルコミュニケーションズが開発し、NTTドコモが販売するスマートフォン端末「Xperia Z5 Compact」を使用する。

今回の試行におけるスマートフォン決済のしくみ(画像はJR東日本提供)

スマートフォン端末を「Suica」の決済端末として利用するため、その仕様策定に向けた検証を目的に店舗での試行を開始する。「Xperia Z5 Compact」は「FeliCaリーダライタRF性能検定」(FeliCaに対応するリーダライタの通信性能が要求される基準値を満たしていることを確認する検定)に合格した初めてのスマートフォン端末だという。

決済については、スマートフォン端末に搭載されたNFCリーダ/ライタモードを使用し、「Suica」から代金の引去りを行うしくみとなっている。今回の試行における決済処理に関して、「トランザクション・メディア・ネットワークスの協力の下、携帯電話回線を通じてセンタ側で決済処理を行うシンクライアント方式を採用し、高いセキュリティを確保しました」とJR東日本は発表している。

10月9日まで開催される「東京味わいフェスタ 2016」(有楽町エリア)にて、ジェイアール東日本フードビジネスが運営する移動販売車の飲食物販売の支払いに端末2台を使用するほか、10月24日から12月28日まで、鉄道博物館の体験コーナーでの支払いにも端末3台を使用予定。店舗での「Suica」決済にスマートフォン端末を使用することで、仕様策定に向けて多角的な視点から検証していく。「今後、順次試行の箇所を増やすことも検討しています」(JR東日本)とのこと。