三菱航空機はこのほど、次世代リージョナルジェット機MRJ(Mitsubishi RegionalJet)に関するWEB情報発信ツール「MRJ Newsletter」第17号にて、9月のトピックスを発表。モーゼスレイクへのフェリーフライトのほか、3機目の初飛行について報告している。
9月26日には、MRJ試験機1号機(JA21MJ)による名古屋から飛行試験拠点である米国ワシントン州モーゼスレイクへのフェリーフライトを実施。機体は、新千歳空港・ロシア連邦エリゾヴォ空港・米国アンカレッジ国際空港を経由し、現地時間の9月28日(日本時間の9月29日)にグラント・カウンティ国際空港へ到着。総飛行時間は13時間08分、総飛行距離は約8,300kmだった。
フェリーフライトに関してチーフテストパイロットの安村佳之氏は、「飛行機の調子は良い。試験をこれから加速し、前に進めていきたい」 とコメントしている。モーゼスレイクの地は晴天率が高いことで知られるほか、拠点を置くグラント・カウンティ国際空港は滑走路の距離が長く、試験利用に際しての制約が少ないなど、高頻度での試験実施が可能となる。今後、型式証明の取得に向け、北米での飛行試験をスタートさせる。
フェリーフライト到着に先立ち、モーゼスレイクフライトテストセンターでは9月中旬、小型機MU-300を活用した緊急事態対応訓練を実施。訓練はPort Of Moses Lakeをはじめとする関係機関および協力会社であるAeroTEC 社の支援のもと、緊急事態発生時における対応手順を確認するもの。訓練ではMU-300が滑走路上で動けなくなったことを想定し、緊急事態からの回復を図る作業をこなしながら、グループ内の作業協力とグループ間でのコミュニケーション手順について確認・実践した。
なお、フェリーフライトの前日となる9月25日には、3機目(JA24MJ)の初飛行を実施し、飛行試験プログラムに3機目が加わっている。
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