AppleのApp Storeの米国ストアで、アプリの検索広告の提供が始まった。アプリ開発者がApp Storeで製品をアピールできる新たな方法だが、「Uber」という検索の結果にライバルLyftの広告が表示されるなど、ライバルの製品に直接広告をぶつけるアプリ開発者同士の熾烈な広告バトルも見られる。

App Storeでアプリを検索した際に、検索語によっては結果のトップに広告が表示される。「Ad」というマークが付いている以外は通常の検索結果と同じで、広告をタップしてそのアプリのページにアクセスでき、また広告から直接アプリを入手することも可能だ。

アプリ検索広告には広告料金の最低額や出稿期間といった条件はなく、広告主が予算に応じてマーケティングを展開できる。他のブランドを広告ターゲットにできる「コンクエスティング(conquesting)」と呼ばれる手法が認められているのも特徴といえる。App Storeでは、一部のアプリにユーザーが集中し、小規模な開発者の製品や新しいアプリが発見されにくい問題が指摘されていたが、コンクエスティングは小規模な開発者が有力な開発者に挑戦する武器になり得る。

ただ、他の製品をターゲットにできると、カーシェアリングでしのぎを削るUberとLyftのようなライバル同士の広告合戦も起こる。しばらく経ってから再度「Uber」を検索してみたところ、今度は結果にUberの広告が表示された。Uberが「Uber」というキーワードを守るために競り落とした可能性が考えられる。

「Uber」という検索の結果にライバルLyftの広告(左)、しばらく経ってからもう一度検索してみると、Uberの広告が表示されてUberが2つ並ぶ結果に(右)、ライバルにキーワードを使われないためとはいえ、「Uber」と検索している人にUberの広告を表示するのはもったいない