本田技研工業(ホンダ)とヤマハ発動機は5日、日本国内の50cc原付スクーターや、電動二輪車を含めた原付一種領域での協業に向けた業務提携について検討を開始したと発表した。

本田技研工業取締役執行役員の青山真二氏(写真左)と、ヤマハ発動機取締役常務執行役員の渡部克明氏(同右)

近年、日本では電動アシスト自転車や軽自動車など、近距離での移動手段の多様化により、原付一種市場は縮小している。また、強化される保安基準や排出ガス規制など法規制への対応、さらには電動化の推進など、二輪車メーカーとして取り組むべき課題に直面しているという。こうした環境下、ホンダとヤマハはこれらの課題解決に向けた協力が必要との共通認識に立ち、日本国内での原付一種領域における協業をめざすこととした。協業に向けたおもな検討内容は、50cc原付スクーターのOEM供給、次期50cc原付ビジネススクーターの共同開発とOEM供給、原付一種クラスの電動二輪車普及に向けた協業となっている。

50cc原付スクーターのOEM供給では、ホンダが生産・販売を行う日本市場向け50cc原付スクーター「タクト」「ジョルノ」をベースとしたモデルを2018年中の開始を目標にヤマハへOEM供給する。ヤマハはこのOEM供給を受け、それぞれ「ジョグ」「ビーノ」に該当するモデルとして販売する予定。次期50cc原付ビジネススクーターの共同開発とOEM供給では、日本市場向けにそれぞれが開発・生産・販売している50cc原付ビジネススクーターのホンダ「ベンリィ」、ヤマハ「ギア」に関して、次期モデルの共同開発とホンダからヤマハへのOEM供給を検討する。

原付一種クラスの電動二輪車普及に向けた協業では、日本市場における原付一種クラスを中心とした電動二輪車の普及を目的に、航続距離・充電時間・性能・コストといった課題の解決をめざした基盤づくりの協業を検討。今後生まれる取組みの成果を同業他社、異業種にも広く提案することで、電動化の普及に取り組むとしている。