「ちんや」(東京都台東区浅草)は10月5日より、新メニュー「変わりタマゴ」の提供を開始している。
浅草の老舗すき焼き店である同店が今回提供するのは、"すき焼き用の溶き卵の新しいかたち"である「変わりタマゴ」。溶き卵にカレーオイルを加えた"カレーオイル入り卵(仮称)"、溶き卵にヨーグルトを加えた"ヨーグルト入り卵(仮称)"の2種を用意している。価格は、各税込200円。
「ちんや」は、それぞれの卵のネーミングを公募中。応募作は本当にメニュー名として使用される。さらに、ゆくゆくは商標登録も目指すという。
「ちんや」によると、すき焼きは「甘」「辛」「旨」の三味が強烈で、最初はおいしく感じるものの、食べ続けるうちに飽きてしまうことがあるという。そこで「苦」「酸」を足すことで五味がそろい、最後までおいしく食べ続けられるとのこと。伝統に反するため一見革命的に見えるが、実は食の理論に沿ったレシピであるという。
"カレーオイル入り卵"は、カレー粉と若干のスパイスをオイルに入れて溶き、それを生卵に加えることで、すき焼きに足りない「苦味」を補い、アクセントを付けたもの。カレー風味のすき焼きは映画監督の小津安二郎(おづ やすじろう、1903年~1963年)が好んで食べており、小津が愛した旅館「茅ヶ崎館」で今でも食べることができるという。ただし、小津方式ではカレー粉をそのまま振りかけるが、同店ではオイルに溶かす方式となり、違いが見られる。金彩の器に入れて提供する。
"ヨーグルト入り卵"は、ヨーグルトを生卵に加え、すき焼きに足りない「酸味」を補い、味を中和させる。甘辛味と酸味とが調和して、"信じられないくらいサッパリ、マイルド"に感じるとのこと。日本料理店「バサラ」が開発した「トマトすき焼き」にヒントを得て発案した。ただし「バサラ」方式では、トマトを鍋の中に入れて全てを酸っぱくするのに対し、同店では、玉丼の中だけを酸っぱくしている。柿釉(かきゆう、朱色)の器で提供する。
ネーミング公募は、同店の店舗にて実施中。実際に店舗で食べた人だけが投票可能で、ネットでの募集は行わない。参加費無料で、ひとり1作に限る。募集期間は12月5日まで。結果発表は2017年1月1日、「ちんや」すき焼き思い出サイトにて。なお、入選者の特典としてすき焼き券1万円を進呈する。
また、「すき焼き川柳コンクール」も同時開催する。「ちんや」は毎年5月・三社祭の頃に包装紙を作り替えているが、同コンクールに当選すると、その「すき焼き川柳包装紙」に川柳が刷り込まれる。こちらもネットでの募集はせず、実際に食事をした人に応募用紙を配布する。応募期間は10月31日まで。結果の発表は、11月11日に同社サイトにて。