iPhone 7/7 Plusの発売を機に、大手キャリア3社が相次いで、月額6,000円で20GBもの高速通信容量が利用できるデータ定額サービスを開始することを発表した。従来標準と呼ばれていた5GBの4倍もの容量が手軽に利用できるサービスの登場によって、スマートフォンの利用のされ方はどう変わると考えられるだろうか。
新iPhoneを機に月額6,000円で20GBのプランが登場
総務省や公正取引委員会など、行政が端末の大幅値引き販売に厳しい目を光らせるようになった中で迎えた、今年の新iPhone商戦。それだけに、iPhoneを取り扱う大手3キャリアは、今年の新機種「iPhone 7」「iPhone 7 Plus」の価格に関しては、昨年と大きく変わらない価格設定をしており、価格の値引きや、端末の下取り合戦を繰り広げる様子は現在のところ見ることはできない。
しかしながら今年、料金とは別の部分での競争が起きているようだ。それは高速データ通信容量に関する競争である。その競争を仕掛けたのはソフトバンクで、同社はiPhone 7/7 Plus発表直後の9月8日に、新しいデータ定額サービス「ギガモンスター」を発表したのだ。
ギガモンスターは、月額6,000円で20GB、月額8,000円で30GBの高速通信容量が利用できるサービス。データ定額サービスでは従来"標準"とされてきた「データ定額 5GB」が月額5,000円で高速通信容量が5GBであったことを考えると、ギガモンスターではそれに1,000円プラスするだけで、4倍もの高速通信容量が利用できるようになるのだから、お得感は非常に高いことが分かる。
そして、ギガモンスターに追従する形で、auは「スーパーデジラ」、NTTドコモは「ウルトラパック」と、相次いで他のキャリアも同様のデータ定額サービスを提供することを発表。これらサービスの提供によって今後、大手キャリアのデータ定額サービスにおける通信容量の標準が、5GBから20GBへと大きく変わろうとしているわけだ。
一連のキャリア施策の影響は、「格安SIM」などで知られるMVNOにも及んでいる。実際、MVNOの1つであるイオンモバイルは9月29日、20GB以上の大容量プランの値下げを発表。基本料なども含めれば元々キャリアより安価な値段設定ではあったのだが、相対的に価格差が縮まったことを受け、値下げするに至ったと考えられる。