ダイキン工業は10月4日、ルームエアコンの2017年度モデル「うるさら7 Rシリーズ」を発表した。冷房能力2.2~9.0kW(適用畳数おもに6~29畳)までの10モデルをラインナップし、11月1日に発売する。価格はオープン。市場想定価格は、冷房能力4.0kW(適用畳数おもに14畳)の「AN40URS-W」(単相100V)と「AN40URP-W(C)」(単相200V)で29万円前後。

11月1日発売の「うるさら7 Rシリーズ」2017年度モデル

2013年に初代が誕生した「うるさら7」は、高い省エネ性能に加えて、サーキュレーション気流、ストリーマ内部クリーン機能、無給水加湿機能などが特徴のシリーズ。2016年度モデルではこれらに加えて、寒冷地向けと同等となる暖房性能を強化したほか、「垂直気流」と呼ぶ機能を業界で初めて実現した。「デュアルコアンダフラップ」と呼ばれる、風向版と補助フラップの組み合わせにより気流を制御し、風を真下に吹き出すことができる機能だ。温風を床に這わせるように行き渡らせることにより、床暖房のような暖かさを可能にした。

「サーキュレーション気流」と「垂直気流」の仕組みの違い

「サーキュレーション気流」のイメージ

「垂直気流」のイメージ

「垂直気流」時の風向板と補助フラップの実機での様子

2017年モデルとなる新製品では、前年モデルで暖房時のみだった「垂直気流」を冷房時にも採用。気流を天井に沿わすことで遠くまで風を届けることができる「サーキュレーション気流」との合わせ技で空気を素早く撹拌し、室内の温度ムラを短時間で解消できるようになった。また、室内機に搭載された「人・床温度センサー」が床の温度ムラを検知すると、自動で「垂直気流」に切り替わる機能も搭載された。

ダイキンが14畳の試験室で行ったテストでは、運転開始から温度ムラがなくなるまでの時間は、一般的な上向き方向のエアコンの場合が55分であったのに対して、新製品では約17分とおよそ3倍の速さで温度ムラが解消されたとのことだ。

冷房時の「コンビネーション気流」のイメージ。運転開始直後は「サーキュレーション気流」で天井に沿わせて部屋の奥にまで冷気を送る

運転開始から約13分後、左上のサーモグラフィではエアコン直下がまだ温度が高いことがわかる

運転開始から約16分後に「垂直気流」に切り替わり、手前側に重点的に冷気を送ることで、部屋全体をムラなく冷やす

室内機に備える「人・床温度センサー」が床の温度ムラを捉えた際にも自動で「垂直気流」に切り替わり、約3分間空気を撹拌する

そのほか、従来モデルから搭載されている「快適エコ自動」機能に学習機能を搭載。運転開始時の温度や室温目標到達までの時間、圧縮機の回転数の情報を毎回記憶して、エアコンの運転パターンを学習する。これにより、住宅の構造や方角、断熱性能といった条件の異なる住宅環境でも、それぞれに応じた最適な運転を行い、運転開始時の消費電力量を最大約20%削減できるという。