女優の柴咲コウが、11月5日(21:00~23:06)に放送されるABC・テレビ朝日系スペシャルドラマ『氷の轍』で主演を務めることが26日、明らかになった。
今作は、ABC創立65周年作品。直木賞作家・桜木紫乃氏が、このドラマのために原作を描き下ろし、青木研次の脚本を、瀧本智行が演出する。柴咲演じる大門真由は、産みの母を知らず、唯一の肉親である父が間もなく亡くなろうとしているという、屈託と孤独を併せ持つ女性だ。
真由は、父と同じ刑事の道を歩む新人刑事。北海道・釧路を舞台で発生した、2つの無関係と思われた殺人事件が結びつき、そこから事件の原点を1960年代の青森にさかのぼることになる。
釧路で20日間にわたる撮影を終えた柴咲は、自身が普段の生活でルーティンを作れないことから、「私、合宿形式が好きみたいです」と発見。役に向き合ううちに「自分も孤独でならなければならい」と感じて、「自分をがんじがらめにさせようとした」と追い込んで撮影に臨んだという。刑事役を演じるが、台本を読んで「人間ドラマだ!」と語っている。
共演には、真由の先輩刑事役で沢村一樹、事件の舞台となる水産加工会社の社長役で余貴美子、真由と冬のスケートリンクで顔を合わせる女性役で宮本信子が登場。
沢村は「出てくる人たちを取り巻く環境、仕事、いろんなことがあって今に至っているという生き様がメイン」と作品の印象を語り、余は「このつらくて悲しい物語を演じるにあたり、釧路という土地が助けてくれた」と感謝。
宮本は、方言で心情を吐露するシーンと、取り調べで思わず泣いてしまったシーンが印象に残っているといい、「カメラが回っている最中に計算していない芝居が出たのは久しぶりだったので、自分でもびっくりしました」と撮影を振り返った。
ほかにも、真由の父役で塩見三省が出演。嶋田久作、品川徹、岸部一徳といったベテラン陣も脇を固める。
なお、このドラマの書籍版は、29日に発売。原作の桜木氏は、完成映像を見て「緊張感あふれる2時間でした」と感想を語り、「監督の心意気と 矜持、役者さんの魂、支えてこられたスタッフの献身に、心から感謝申し上げます」とコメントしている。