矢野経済研究所はこのたび、国内におけるポイントサービス市場の調査の結果を発表した。それによると、2015年度のポイントサービス市場規模は1兆4,440億円まで拡大していることがわかった。

新規参入事業者の増加などが要因

2015年度の国内ポイントサービス市場規模(ポイント発行額ベース)は、前年度比105.2%の1兆4,440億円となった。

共通ポイントサービスでは、先行の「Tポイント」「Ponta」「楽天ポイントカード」に加え、2015年にNTTドコモが「dポイント」を、2016年からはイオンが「WAON POINT」の提供を開始し、共通ポイントサービスの提供事業者数が増加した。それに伴い、ポイントの発行額が拡大したため、市場規模も1兆4,440億円に達したものとみられる。

ポイントサービス市場規模推移と予測

矢野経済研究所は、2020年度の国内ポイントサービス市場規模(ポイント発行額ベース)が2兆300億円に達すると予測。今後は、家庭用等の低圧分野(50kW未満)の電力小売の自由化や、予定されている都市ガス小売の自由化により、小売電気事業者やガス事業者によるポイント発行が拡大する見通しだという。加えて、共通ポイントサービスにおいては、加盟企業1社で複数の共通ポイントサービスを導入するケースが増えることが考えられることなどから、引き続き、拡大基調が続く可能性があると推測している。

同調査のポイントサービスとは、特定の企業やグループ内のみで利用できるポイントサービス(ハウスポイント)に加え、業種業態を超えた提携先のいずれの企業でも利用できる共通ポイントサービスも対象となっている。

また、ポイントサービス市場規模は、家電量販店や流通小売業(百貨店、GMS、コンビニエンスストア、ドラッグストア、スーパーマーケット、インターネットショッピングサイト・モール等)、携帯電話会社、航空・鉄道会社などが発行するポイント発行額に加えて、共通ポイントサービス提供事業者やポイントサイト運営事業者等が発行する発行額を合算して算出したもの。

調査期間は2016年4月~6月、対象はポイント発行事業者、共通ポイントサービス提供事業者、ポイントサイト運営事業者など。直接面談、電話・e-mailによるヒアリングと文献調査を行った。