掃除機をかける、ほうきで掃く、雑巾で拭くなど、掃除の仕方はいろいろあっても、日本と海外でさほど大きな差はないだろうと思ってはいないだろうか。ところが、日本独特の掃除法というものが意外とあるらしい。それは一体、どんなものだろうか。今回は日本在住の外国人20人に、日本に来て初めて知ったお掃除の工夫を聞いてみた。
Q. 日本に来てから学んだ掃除の工夫があれば教えてください
粘着クリーナーが便利!
・「コロコロを初めて使いました。フランスは掃除機と水を流すことしかないです」(フランス/30代前半/男性)
・「コロコロでお掃除」(パラグアイ/30代前半/女性)
・「コロコロです。それは便利で髪の毛やほこりなどを粘着で掃除できます」(フィリピン/40代前半/女性)
・「日本の『ゴロゴロ』が掃除にはすごく助かる。掃除機がなくても『ゴロゴロ』と布巾でもう十分だと思う」(台湾/20代後半/女性)
薬品を活用
・「カビキラーを使うことになりました。湿気のせいでよく家にカビが出ますので」(スペイン/30代前半/女性)
・「トイレの掃除には薬品を使う」(韓国/20代前半/男性)
家電を使いこなす
・「布団と毛布を洗ってから、また外に干してからも、掃除機をかけます。そのアイディアはアレルギーがある人にいいかなと思います」(モンゴル/30代前半/男性)
・「全て機械でできるので、とても便利です。専用の洗剤もあったりして便利です」(インド/40代前半/男性)
・「以前働いてた日本の会社は掃除屋でしたので、お掃除のことちょっと勉強しました。工夫ではないのですが、正しい掃除機の使い方を学びました。ほとんどの人は掃除機をかける時、とても速く前後に動かしますが、それが間違っています。掃除機はゆっくりと動かすべきです(特にカーペットの上で)。そうしないとゴミがうまく吸えないんです」(ルーマニア/30代前半/女性)
「日本の習慣」的掃除法
・「布団を干す習慣が好きですね。布団叩きの音もどこかで懐かしい気持ちになります」(タイ/30代前半/男性)
・「こまめに掃除をすること、他のことをしながら少しずつ掃除を進めることです」(ウクライナ/30代前半/男性)
・「(職場などでの掃除は)適当に人を支配するではなく組毎で人を分けるのがとってもいいアイデアだと思います。あと、汚くみえなくても毎日帰る前に掃き掃除をする習慣のおかげで、いつもきれいな環境を維持できます」(ブラジル/20代後半/男性)
「おばあちゃんの知恵袋」的掃除法
・「重曹を使う掃除です」(インドネシア/40代前半/女性)
・「重曹を使ってガスコンロを掃除、無糖の炭酸水で窓をさっと拭きます」(香港/20代後半/女性)
・「洗濯物を干す前に1回たたんで叩くとシワシワになりにくいと教えてもらいました。アメリカは干すよりマシーンで乾かすので知りませんでした」(アメリカ/30代前半/女性)
そのほか・特になし
・「5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾) 」(ベトナム/20代後半/男性)
・「工夫1: とにかく物を減らす、工夫2: 毎日小さな家事を積み重ねる」(中国/30代中半/男性)
・「ユニットバスのお掃除が簡単でいいね。ただ、ユニットバスに窓もついているやつが少なくて少し残念。自然な光が通るバスルームが大事だと思うから(自然な空気交換のためにも)」(ハンガリー/30代前半/女性)
・「ない」(ロシア/20代中半/女性)
・「掃除の仕方について日本に来て特に変わったものはありません。強いて言えば、耳の掃除に使う耳かきの存在を知ったぐらいです(イタリアでは、綿棒しかありません)」(イタリア/30代前半/男性)
総評
今回のアンケートで目立ったのは、「コロコロ」を始めとした粘着クリーナーの人気だ。この単純明快な掃除道具は、日本人にも非常に親しみあるものだが、回答者の中には「コロコロと布巾があれば十分」(台湾/20代後半/女性)と感じている人さえいるようだ。
また、重曹の活用も挙げられた。重曹は世界のさまざまな地域で古くから使われているものの、2人の回答に「日本で学んだお掃除法」として登場。近年のエコの流れからリバイバル的に人目に付くことになったこともあり、そんな日本の流行のおかげで目にする機会が多かったのかもしれない。
そのほか、「汚れているように見えなくても帰る前に掃き掃除をする」というのは、日本の小中学校などで習慣的に行われていることだ。江戸時代に日本を訪れた幾人もの外国人は、それぞれの手記に「日本人は庶民であっても清潔を好む」と記したと言われている。粘着クリーナーや掃除機、重曹などを駆使し、これからも「清潔」と言われる日本人でありたいものだ。
調査時期: 2016年7月16日~2016年8月15日
調査対象: 日本在住の外国人
調査数: 20名
調査方法: インターネット応募式アンケート
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