9月15日に開幕した東京ゲームショウのTwitchブースでは、COOのケビン・リン氏が講演し、Twitchが生まれたキッカケから将来の展開を語った。また、Twitchのグローバルアンバサターであるプロゲーマー梅原大吾氏が、新たに2つのギネス世界記録を獲得したことに合わせて、認定証授与式も行われた。

Twitch COOのKevin Lin氏

元々Twitchは、創立者の1人であるJustin Kanの生活を24時間生中継する「Justin.tv」からスタートしたが、大きな注目を集めるところまではいかなかった。その後、ゲーム動画のストリーミングにシフトしたが、このときも「誰もがゲームをプレイするわけではない」という理由からユーザー数が伸びなかった。しかし、動画を配信するだけでなくユーザーがチャットで参加するソーシャル機能を加えてヒットに繋がったのがTwitchだという。

Twitchの前身となるのがJustin Kan氏が立ち上げたJustin.tv。24時間私生活を生中継するLifecastingサービスだった

Lifecastingから始まったJustin.tvだが、あまりパッとしなかったという

そこで見出したのがゲームプレイという要素。当時StarCraft IIのβサービスが始まったタイミングだったそうだ

誰もがゲームプレイをするわけでもなく、このときは思ったほどはユーザーが伸びなかった

この失敗から作られたのが、チャットで配信されている動画に参加ができるTwitch。右側にチャット画面があり、コメントが入れられる

また、単なるゲーム実況だけでなく、チャットボックスに打ち込んだテキストコマンドで、ゲームを操作するという現象を生み出したことを紹介。ポケモン「赤」を「アメリカのユーザーが寝たら、ヨーロッパのユーザーがプレイ、さらにヨーロッパの人が寝たらアジアのユーザーがやる」といった形で、複数のプレイヤーがプレイ。延べ120万人のユーザーが参加し、16日でクリアしたという事例を挙げていた。

チャットボックスに入力したコマンドで吹く数人が同時にゲームプレイ

最終的に120万人がプレイを行い、16日でゲームクリア

Twitchは2015年に日本上陸を果たした(TGS 2015ではAmazon.co.jpブースで紹介された)。日本国内における1日当たりの視聴時間は平均4時間で、これは世界平均の2倍とのこと。さらにコメント数も1日当たり10万と好調で、順調に日本でのサービスを展開できているアピールする。この勢いをさらに増すために、日本国内を含め世界でも活躍するプロゲーマーである梅原大吾氏をグローバルアンバサターに任命したという。

ワールドワイドにおけるTwitchの現状。毎月1億人が利用し、1日当たりの平均視聴時間は2時間。60%のユーザーが1週間で20時間以上、動画を視聴しているという。また、ユーザーの平均年齢は25歳

日本における数字だが、1年間ですでに700万人ユニークユーザーが動画を視聴。1日当たりの視聴時間は4時間と世界平均の2倍。コメント数も毎日10万と膨大な数だ

さらなるアピールのためにプロゲーマーの梅原大吾氏をグローバルアンバサターに任命。日本の格ゲー文化を世界に伝えるという

今後の方針として、(日本向けの)ローカライズを2017年前半に完了させるほか、検索機能を改善し、動画をより簡単に探せるようにする。また、日本のゲームデベロッパーに対しては、国内ゲームを海外ユーザーに認知してもらうための手伝いをしたいとしている。

2017年初頭までにローカライズを完了させる目標だという

また動画内を含めた検索機能も提供する予定とのこと

日本のゲームメーカーには海外での普及に向けてTwitchを使ってほしいとアピール

"ウメハラ"が2010年のギネスレコードに加えて二つのギネス世界記録が認定

さて、Twitchのグローバルアンバサターに任命された梅原氏だが、2010年に「世界でもっとも長く賞金を稼いでいるプロゲーマー」としてギネス記録に認定されている。今回、これに加えて「ウルトラストリートファイターⅣでの最高ランキング」と「最も視聴されたビデオゲームの試合」も新たにギネス記録として認定された。

ギネス世界記録認定員から認定証が2枚手渡された

Twitchブースでは、ギネス記録認定証の授与式も開催。ギネス世界記録認定員から梅原氏に2枚の認定証が手渡された。

ケビン・リン氏(左)と梅原大吾氏(右)