楽天モバイルは、ファーウェイのフラッグシップスマートフォン「honor 8」、新iPhone発売記念キャンペーン、および中古iPhoneの取り扱い開始を発表した。honor 8はダブルレンズや指紋センサー、オクタコアCPUなどを備えたハイスペック端末で、発売時期は9月下旬を予定している。価格は42,800円(税別、以下同)、Web限定価格は35,800円。
シェアNo.1を獲得
記者説明会では、楽天モバイル事業の黒住吉郎氏が登壇して概要を説明した。その冒頭、黒住氏は「格安SIMサービスにおけるシェアNo.1を獲得した」と報告。これはAndroid / iOS、iPhoneの利用者を対象に、格安SIMサービスの利用動向を調べたMMD研究所の2016年3月の調査結果によるものだ。シェアを押し上げた要因について、黒住氏はMNOの半額(850円 / 月)で提供している「楽天でんわ 5分かけ放題」の存在を挙げた。「楽天でんわが転機になり、他MVNOと差別化できたばかりでなく、大手キャリアにも負けないサービスを実施できている」と同氏。
iPhone向けにキャンペーンを展開
モバイル市場ではいま、iPhone 7の発表が大きな話題となっている。そこで楽天モバイルでも、iPhone向けの施策をいくつか用意している。ひとつは「(iPhoneを含む)手持ちのスマートフォン」+「楽天モバイルの音声通話SIM」の利用を助長する、「Apple社 新iPhone発表記念 10,000ポイントプレゼントキャンペーン」。同キャンペーンでは、音声通話SIMを契約した利用者を対象に10,000円相当のポイントを付与する。他キャリアから楽天モバイルに乗り換える際の解約金10,000円をポイントで還元しようという狙いだ。
また、(iPhoneを含む)手持ちのスマートフォンを保証する「つながる端末保証 by 楽天モバイル」を月額500円で提供する。対象となるのは、NTTドコモの端末、SIMロック解除したキャリア端末、SIMフリー端末となっている。
このほか、中古携帯を取り扱うアワーズ スマホ生活と連携することで「中古iPhone」の新古品・美品を楽天市場で購入可能にする。この中古iPhoneを購入し、楽天モバイルの音声通話SIMと5分かけ放題を申し込めば、10,000ポイントが付与される仕組みだ。導入のいきさつについて、黒住氏は「中古のiPhoneが使いたい、という多くの声をいただいた。もう少し簡単に中古のiPhoneを手に入れられる方法を提供したかった」と説明している。
楽天モバイル限定のhonor 8
商品ラインナップには、新たにフラッグシップモデル「honor 8」(ファーウェイ製)を投入する。昨年6月に発売した「honor6 Plus」の後継機で、前機種と同様、他の通信事業者が取り扱えない”楽天モバイル限定モデル”となっている。メインカメラには1,200万画素のダブルレンズを備えており、一眼レフのようなボケ味を表現できるワイドアパーチャ機能が利用できる。
カラバリはサファイアブルー、パールホワイト、サンライズゴールドの3色で展開する。背面カバーは2.5D曲面の両面ガラス製で、特殊コーティングなど15種類の塗装を施しているという。背面中央には0.4秒で画面ロックを解除できる指紋センサーを搭載。最新オクタコアCPUのKirin950を搭載、RAM / ROMは4GB / 32GB、micro SDXCは最大128GBまで対応。バッテリーは3,000mAhとなっている。
店頭販売予定価格は42,800円ながら、Webで9月21日から12月1日までに申し込めばWeb限定・発売記念キャンペーン価格の35,800円で購入できる。台数限定ながら、自撮り棒やイヤホンなどを同梱する「特製アクセサリギフトボックス」も提供される。
利用者の拡大を狙う楽天モバイルでは、コア層である30~40代だけでなく、シニア層、若年層にも最適化したサービスを展開していく。スマホ勉強会の実施、あんしんリモートサポートの提供のほか、リアル店舗には優先席などを設けていくという。また「楽天モバイル ご自宅出張申込」では、60歳以上の利用者を対象にサービス料金を半額の4,150円に設定する。黒住氏は「幅広くサービス、端末に満足いただけるよう努力していく。業界の風雲児としてチャレンジを続けていきたい」と話していた。
大容量プランへの対抗策は?
記者説明会の最後に質疑応答の時間がもうけられ、黒住氏らが対応した。honor 8については楽天モバイルが”独占販売”としているが、これについては「国内の通信事業者として」という意味あり、ファーウェイのオンラインショップでもSIMフリー版の同モデルが購入可能であるという。honor6 Plusでは対応していなかったドコモのプラチナバンド(バンド19)に対応した狙いについては「利用者の方がお使いいただきやすい商品として、ファーウェイ社の方にご提案いただいた。安定してお使いいただけるスペックとなった」と黒住氏。
大手キャリア3社では、相次いで大容量プランを発表している。データ通信の利用が激しいユーザーに向けて訴求力のあるプランになっており、このためMVNOから大手キャリアに戻る動きが懸念される。これについて問われると、「そうした利用者の方も一定数はいるのではないか。楽天モバイルでも、多様なニーズに応えられるようにサービスを検討していきたい。今後の市場の見通しについては、何とも言えない。ニーズに合わせて、サービスの形態を変えていきたい」と答えるに留まった。