夏の暑さも一段落し、体が楽になった秋口に感じる「秋バテ」。それは、猛暑に耐え、仕事・レジャーと頑張った体が休暇を欲している状態ともいえるだろう。
そんな「秋バテ」の不調を招く要因の一つが「ドロドロ血液」。血液の流れが遅くなるこの「ドロドロ血液」が、脳梗塞や心筋梗塞などの原因になることはよく知られていると思うが、体の隅々まで栄養が行き届かないことで、さまざまな不調が生じる。
その「ドロドロ血液」を招く要因の一つが、体内の水分不足。大量の汗をかいた夏は必然的に水分が失われ、仕事終わりや風呂上がりのビールがおいしくてついアルコール量も増える、スタミナをつけるために肉中心の食生活になるなど、夏は「ドロドロ血液」を招きやすい環境と言える。
体の状態にもよるが、これらの改善には適度な水分摂取とバランスのよい食事が重要。血中の脂質が多くなっている場合、動物性食品に多い飽和脂肪酸を減らし、血中の脂質が酸化しないように抗酸化作用のあるものを摂(と)ることが大切になる。そんな「ドロドロ血液」改善に役立つ食材を、管理栄養士の板橋里麻さんにセレクトしてもらった。
「ドロドロ血液」改善におすすめの旬食材
梨
薬膳では「秋の果物は体に潤いを与える」とされている。中でも梨は潤いを与える果物の代表で、水分不足を補ってくれるという。また、水溶性食物繊維が血液中の悪玉コレステロールを下げるのに役立つ。
モロヘイヤ
「ドロドロ血液」は、血液中の脂質が増加した状態。その脂質が酸化すると血管の壁にはり付き、血管を狭くしてさまざまな病気の原因になる可能性がある。それを防ぐためには、抗酸化作用の高いビタミンEを多く含むモロヘイヤがおすすめだ。さらに、モロヘイヤに含まれる「ムチン」は、血中の悪玉コレステロール低下も期待できる。
あまり使い慣れない野菜かもしれないが、おひたしにしたり、コンソメスープやみそ汁に入れたりと意外にオールマイティーな存在。ネバネバしているのが特徴なので、納豆やおくら、めかぶ、長芋などとよく合う。
青魚
サンマやサバ、イワシなどの青魚に含まれるDHA・EPAは、血中の中性脂肪やコレステロールを下げて、血液をサラサラにする効果が期待できる。
体を潤して酸化を予防する梨とルッコラのサラダ
では、体内を潤して血液をサラサラにするレシピを紹介しよう。水分補給できるみずみずしい梨と、抗酸化作用の高いルッコラをメインにしたヘルシーサラダだ。それにチーズを加えることで、クセになりそうな甘じょっぱい味わいとなる。手に入るならば、秋が旬で抗酸化作用も非常に高い「ビーツ」を入れるのもおすすめ。栄養価も高く、真っ赤な色が見た目にもアクセントになるぞ。
材料(2~3人分)
梨 1/4個 / ルッコラ 1/2束 / パルミジャーノ レジャーノチーズ(生ハムでも可) 適量 / ビーツ(あれば) 20g
A(オリーブオイル 小さじ1 / レモン汁 小さじ2 / 塩 少々 / こしょう 少々)
つくり方
1.梨は皮をむいて種の部分を取り除き、薄くスライスする。ルッコラは3~4cmの長さに切る。パルミジャーノ レジャーノとビーツは薄くスライスする。
2.Aを混ぜ合わせる。
3.1を盛りつけ、Aをかけて完成。