国立社会保障・人口問題研究所は9月15日、2015年に実施した「第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」の結果を公表した。独身者調査は年齢18歳以上50歳未満の独身者8,754の有効回答を得た。
いずれは結婚しようと考える未婚者の割合は、18~34歳の男性では85.7%、女性では89.3%。一方、「一生結婚するつもりはない」と答える未婚者の微増傾向は続いており、男性では12.0%、女性では8.0%となった。
結婚の利点「経済的に余裕がもてる」が女性で増加傾向
結婚することに利点があると感じている未婚男性は、おおむね6割台で推移している。女性では2000年代からみられる微増傾向が継続し、今回は77.8%に。結婚することの具体的な利点のとらえ方をみると、男女とも「自分の子どもや家族をもてる」を挙げる人の増加傾向は1987年からほぼ一貫して続き、2000年代以降「精神的安らぎの場が得られる」と「愛情を感じている人と暮らせる」は減少傾向、「親や周囲の期待に応えられる」は増加傾向にある。また、女性では「経済的に余裕がもてる」が増加傾向にあり、今回初めて2割を超えた。
独身の利点に「金銭的に裕福」も
独身生活に利点があると考えている未婚者は男女とも高い割合を維持しており、男性では83.5%、女性では88.7%。独身生活の利点は、男女ともに「行動や生き方が自由」を挙げる人が圧倒的に多く、男性では69.7%、女性では75.5%。それ以外では「金銭的に裕福」「家族扶養の責任がなく気楽」「広い友人関係を保ちやすい」が比較的多い。
結婚意思のある未婚者に、一年以内に結婚するとしたら何か障害となることがあるかをたずねたところ、男女とも「結婚資金」を挙げた人が最も多く(男性43.3%、女性41.9%)、前回とほぼ同水準。また「職業や仕事上の問題」を障害に挙げる人が増えている一方で、「親の承諾」「親との同居や扶養」を結婚の障害と考える人が減っている。こうした傾向は特に女性で顕著だった。
結婚相手に求める条件、男性も「経済力」「職業」増加
結婚する意思のある未婚者が結婚相手に求める条件としては、男女とも「人柄」を考慮・重視する人が最も多いが、「家事・育児の能力」「自分の仕事への理解」も大多数の未婚者が考慮・重視している。その他、「容姿」「共通の趣味の有無」は男女ともに考慮・重視する割合が高いことに加え、女性では「経済力」「職業」を考慮・重視する割合がこれらよりも高い。しかし、近年では、男性でも「経済力」「職業」を考慮・重視する割合が増加している。