京王線・井の頭線の新しいダイヤが16日始発からスタートする。京王電鉄が昨年9月に実施したダイヤ改正では、準特急の笹塚駅・千歳烏山駅停車、都営新宿線への直通列車の増加など、大規模な改正が行われた。今年のダイヤ改正は昨年のダイヤ改正を踏襲した上で、さらに良いダイヤにしようと修正を加えた形となる。
京王線から都営新宿線への直通列車の運転時刻を繰上げ
これまで、平日早朝の京王線から都営新宿線へ直通する区間急行・快速で最も早い列車は橋本駅6時7分発・笹塚駅7時0分発の区間急行だった。今度のダイヤ改正で、都営新宿線への直通列車の運行開始時刻が繰り上げられ、橋本駅5時48分発・笹塚駅6時32分発の区間急行が最も早い列車となる。
橋本発の区間急行・快速で都営新宿線へ直通する列車は通勤ラッシュの時間帯以降に多い。これまで早朝時間帯の区間急行は京王線新宿駅へ向かい、京王新線・都営新宿線には乗り入れていなかった。しかし、とくに最近になって「朝型勤務」が推奨される中、早朝の都心部へのダイレクトアクセスの必要性がどの鉄道会社でも課題となっている。早朝の通勤が乗換えなしに……、そんな要望に応えた形となっている。
なお、これまで京王線新宿方面へ同時間帯の列車で向かっていた人のために、笹塚駅で接続列車が確保されている。
平日夕方の高尾山口発準特急を増発 - 井の頭線は朝の急行を増発
高尾山口発の特急・準特急はこれまで、平日夕方になるとなくなっていた。高尾山口駅16時23分の特急が平日最後の特急・準特急で、それ以降は快速と各駅停車のみ、快速も高尾線内は各駅に停車している。もちろん北野駅で特急・準特急に乗り換えられるものの、高尾線内の利便性という点ではいささか劣るものだった。
今回のダイヤ改正では、高尾線内で各駅に停車し、北野駅から新宿方面は速達列車になる準特急(新宿行)を平日夕方に増発することで、夜間帯に都心で用事がある人にとっても便利なダイヤになる。その一方で、京王八王子駅からの準特急の一部を各駅停車に変更。北野駅で高尾山口方面から来た準特急に接続させる。
平日の井の頭線では、早朝時間帯と朝ラッシュ終了後に急行を運転している。吉祥寺駅7時7分発でいったん急行の運転は終了となり、同駅8時53分発まで急行はない。朝ラッシュ時間帯のダイヤがタイトなために、急行の運転を行う余裕がダイヤ上ないからだ。今回のダイヤ改正で、平日朝ラッシュ終了後の急行の運転開始時刻を8時48分に繰上げとなる。これにより、9時から9時30分までの間に渋谷駅に到着する急行が3本から4本に増える。
その他にも、平日ダイヤにおいて新線新宿駅経由で京王線方面へ向かう急行・区間急行・快速をすべて10両編成とし、帰宅時の輸送力を強化する。また、早朝通勤推進のためのキャンペーンも行うという。
京王電鉄が9月16日に行うダイヤ改正は、前回のダイヤ改正での大きな改善を補足するような改正となった。京王線・井の頭線のダイヤは複雑ではあるものの、ますますかゆいところに手が届くようになっている。