2人組ロックユニット・B'zが、俳優・阿部寛の主演映画『疾風ロンド』(11月26日公開)の主題歌として書き下ろしの新曲「フキアレナサイ」を提供することが明らかになり13日、同曲を使用した特別映像が公開された。
原作は、小説家・東野圭吾氏の17年ぶりの文庫描き下ろしとして2013年に刊行された同名小説。大学の研究所施設から違法生物兵器が盗まれ、スキー初心者のさえない中年研究員・栗林和幸(阿部)が大惨事を食い止めようと奮闘する様を描く。メガホンを取るのは、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』(13年)の演出を手がけた吉田照幸監督。阿部のほか、関ジャニ∞・大倉忠義や元AKB48・大島優子らが出演する。
B'zが主題歌に起用されたのは、吉田監督が過去にNHKのバラエティ番組『サラリーマンNEO』で「ultra soul」を使用したコントを製作したほどのファンということから。「ロックでギターリフがカッコいい曲を書く、日本で一番心に残るメロディを歌う人」として、吉田監督がオファーかけたところ、快諾を得られたことで実現に至った。なお、B'zが実写映画の主題歌を手掛けるのは、『俺は、君のためにこそ死ににいく』(07年)、『TAJOMARU』(09年)以来、3度目となる。
そんなB'zの2人は、映画の原作を読み「派手で時折滑稽な場面もある活劇のなかに、登場人物が自分の進むべき道を信じ葛藤する気持ちが細やかに描かれているのが非常に印象に残りました」とコメント。「そんな心理状態と、激しく舞う雪を重ね合わせて、この『フキアレナサイ』を創りました」と制作の背景を明かしながら、「迫力ある映像、ストーリーとともにお楽しみください」と呼びかけている。
一方、B'zが主題歌を担当することに「ワクワクしました」と語る阿部は、「さまざまな要素が疾風のごとく駆け抜ける本編の締めくくりは、この楽曲を置いて他に無い」と断言。「鑑賞後の爽快感そのままに劇場をあとにできること請け合い」と太鼓判を押している。さらに、吉田監督も「ただ一つ心配なことが。あまりに印象深い曲なので、劇場を出るお客さんが映画忘れてしまわないかなー」と自虐気味に賛辞を送った。
公開された映像では、力強いギターのフレーズとパワフルなビートが印象的な主題歌を披露。阿部演じる栗林が、苦悩しながらも雪原を駆けていく姿も相まってスピード感が強調された映像に仕上がっている。
(C)2016「疾風ロンド」製作委員会