東京商工リサーチは9月12日、銀行114行「2016年3月期決算総資金利ざや」調査の結果を発表した。銀行114行を対象に、2016年3月期決算で国内業務部門ベースでの「総資金利ざや」(「資金運用利回り」-「資金調達原価」)を算出したもの。総資金利ざやとは、銀行収益を示す指標の一つ。
2016年3月期決算で、銀行の総資金利ざやの中央値は0.17%だった。前年同期と比べ横ばいで低下傾向は一服した。上位は1位「スルガ銀行」(静岡)、2位「南日本銀行」(鹿児島)、3位「横浜銀行」(神奈川)、4位「豊和銀行」(大分)、5位「みずほ信託銀行」(東京)、6位「三井住友銀行」(東京)、7位「福岡銀行」(福岡)、8位「西京銀行」(山口)、9位「福岡中央銀行」(福岡)、「阿波銀行」(徳島)。
ただ、今回の調査では銀行114行のうち、約6割にあたる63行で総資金利ざやが縮小し、総資金利ざやがマイナスの「逆ざや」は前年同期より1行多い12行に増えたことがわかった。
業態別でみると、地銀64行のうち「総資金利ざや」が前年同期より縮小したのは30行(構成比46.8%)、拡大が27行、同率が7行だった。また、第二地銀41行のうち、6割の25行(同60.9%)で縮小、大手銀行も9行のうち、8行(同88.8%)で縮小した。
同社では、「日本銀行のマイナス金利政策が今年2月から導入され、銀行は低金利競争の中で国内貸出だけで収益を上げにくい状況はさらに強まっており、新たな収益源の確立が急務になっていることを浮き彫りにしている」とコメントしている。