「スキャンダルは即、解散!」をスローガンに掲げるアイドルグループ・ピュアリー3(読み:ピュアリーピュアリーピュアリー ※「3」は指数表記)が今夏、若槻千夏や菜々緒らの芸能事務所・プラチナムプロダクションのグループ会社・プラチナムピクセルからデビューした。まさに新選組を髣髴(ほうふつ)とさせる「退路を断つ」覚悟。高校野球でも賛否両論が巻き起こった「連帯責任」を、なぜあえて取り入れたのか。事務所に問い合わせてみたところ、そこにはアイドル界に一石を投じる熱い情熱が宿っていた。
アイドル界の未来を憂う
ピュアリー3は中学1年生の白石佑梨亜(12)と小島里恋(13)、小学6年生の愛敬淳希(12)の3人からなるアイドルユニット。メンバーは今年5月のオーディションで選ばれた。「壱、彼氏は作るべからず 弐、悪いことはするべからず 参、脱退卒業はするべからず」の三カ条を"鉄の掟"とし、「理想の花嫁」を目指して勉強や資格取得などの花嫁修業に励み、ひいては世界に向けて大和撫子の魅力を発信する狙いがある。担当マネージャー兼プロデューサーが語る。
「アイドルグループが乱立する時代の中、ファンに応援していただいて成り立っているにも関わらずその応援に対してスキャンダルや卒業、脱退など逆行してしまうアイドルグループが後を絶たない気がします。このままだと、アイドルファンの人口を減らすことにもなりかねない。やはり今後は、アイドルに限らず芸能のお仕事をしていく上で応援してくださる皆さま、関係者の喜ばないようなことはしてはいけないと考えています」
グループ名は、「純粋」「清純」「処女性」をキーワードに約20候補から選んだもの。70~80年代前後の正統派アイドル像をイメージし、高齢化社会にも適応すべく3人の祖父母世代までターゲット層として見据えている。同プロデューサーには「もちろん下ネタや下品なことはしません」と迷いがない。歌手を基本路線とし、レッスンを重ねてパフォーマンスを磨いていく。
高校卒業後は? 「悪いこと」とは?
マスコミ向けに配布された資料には、「高校を卒業するまでに一人でも上記の掟を破った場合は即解散」とある。ここでふと浮かぶのが、「高校卒業後に掟を破ってしまったら一体どうなるのだろう」という疑問だ。さらに気になるのは、"鉄の掟"の2つ目にある「悪いこと」とは具体的にどのような行為を指すのか。ここは彼女たちのためにも、はっきりとさせておきたい。
「『悪いこと』とは、具体的な例を挙げると不倫、覚せい剤、法律に触れること。関係者やファンが喜ばないことはすべて『悪いこと』です。高校卒業に関しては、中には脱退などを考えるメンバーがいるかもしれませんが、卒業するまでは掟を守ることが大事と考えます。新メンバーが入ることもあるかもしれません。卒業後は掟を変更しようと思います」(同前)
彼女たちのライフワークとなる「自己研鑽」は大別すると3種あり、歴史、地理、社会、経済、国語、道徳、日本にまつわる文化の知識を深めること、武道や書道など日本にかかわる資格を取得すること、料理、掃除、洗濯、裁縫、家計簿、保険、冠婚葬祭などの花嫁修業に励むこと。同プロデューサーは大きな期待と信頼を寄せているようだが、3人の口からは確かに"鉄の掟"をもろともしない言葉が返ってくる。
「初めて鉄の掟を聞いた時は少し厳しいなと思いましたが、アイドルとして鉄の掟を守って、みんなに応援してもらいたいと思いました」(白石)
「活動していく上で、当たり前だけど大事なことだと思いました」(愛敬)
「鉄の掟を聞いた時、当たり前のことだと思いました」(小島)
ピュアリー3は年内にCDデビューする予定で、先月13日には都内で行われたアイドルイベント「アイドル甲子園」で初めてパフォーマンスを行った。目標は大きく、2020年の東京オリンピック・パラリンピックでメインスタジアムとなる新国立競技場でのライブ。同プロデューサーは「もし3人とも掟を守り、辞めずに続けていたら結婚していても活動は続けていきたいです」と語る。