MicrosoftはUWP (ユニバーサルWindowsプラットフォーム) アプリケーション開発者へ門戸を広く開いている。その一助となるデベロッパーセンターに新たな機能が追加されたので、同社公式ブログ から興味深いポイントを紹介しよう。

  • Xbox One用アプリケーション&ゲームの提出
  • リリース時の段階的なパッケージ展開
  • 新しいダッシュボードビュー
  • アプリケーション管理を合理化するAPI
  • 強制的なアップデート設定
  • 簡素化したデバイスターゲットと必要なハードウェア要件の設定
  • レポートの改善

1つめのXbox Oneサポートだが、Windows 10 Anniversary Update SDK ビルド14393は、Windows InkのサポートやCortana API、Windows Helloの強化に加えて、Xbox One用アプリケーションのサポートが新機能として加わっている。同SDKを用いてビルドしたUWPアプリケーションは、Xbox Oneをデバイスターゲットに加えることが可能になった。

「ストア」では、Xbox Oneをデバイスターゲットに加えたUWPアプリケーションが公開されている

2つめの段階的なパッケージ展開は、アプリケーションをダウンロードした利用者数に応じて、パッケージの更新範囲を設定するというもの。アプリケーションの更新に自信がある場合は範囲を大きく、バグが潜んでいる可能性がある場合は小さくと、開発者のリスクを軽減するため用意された。3つめの新ダッシュボードビューは、開発者が必要な情報へ素早くアクセスできるようにデザインを再構築している。

パッケージの更新範囲を制御することで、バグ侵入時のリスクを軽減する

4つめは「Windows Store submission API」と呼ばれる新API。アプリの更新やアプリ内購入といった操作の自動化を実現するものだ。概要はこちらのドキュメントで確認でき、サンプルコードも用意されている。GitHub上では、Visual Studio Team Services用拡張機能も公開されているので、開発者の負担は大きく軽減されるだろう。

5つめの強制的なアップデート設定は、文字どおり利用者に対してUWPアプリケーションの更新を強制させるというもの。例えばマルチプレイゲームの場合、皆が同じクライアントを使っていないと、サーバー側で機能を実装しても正しく動作しない。そこで本機能を利用して更新しないと動作しないといった設定を施せる。本機能はSDK ビルド14393とWindows 10 バージョン1607が必要。詳しくはこちらのドキュメントに目を通してほしい。

6つめの簡素化したデバイスターゲットは、ターゲットとなるデバイスをデベロッパーセンターからひと目でわかるようにする機能。また、ターゲットデバイスによって異なるハードウェア要件を定義するためのプロパティページも刷新。開発者はメモリやDirectXのバージョンなど、最低要件レベルと推奨要件レベルの両方を指定できる。

デバイスファミリーのターゲットを視覚的に把握できる

7つめのレポート機能の改善は、いくつかの項目に分かれている。売り上げレポートやライフタイプレポートの改善、利用者からのフィードバックレポートに加えて、分析したリアルタイムレポートをインサイダー向けに用意した。

現在のUWPアプリケーションは、機能や操作性に物足りなさを感じるものが多い。例えば画像ビューアーひとつ取っても、取材先で撮影した写真を整理し、リネームするといった日常業務に使えるUWPアプリケーションを見つけることができず、デスクトップアプリを使い続けている。

だが、UWPアプリケーションはデスクトップアプリと異なり、「ストア」経由で簡単にインストールし、有料版でも簡単に復元できる。開発者の方々は、「Desktop App Converter」を試しながら、デスクトップアプリのUWP移行を検討してほしい。

阿久津良和(Cactus)