LINEは5日、100%子会社であるLINEモバイルを通じてMVNO事業「LINE モバイル」の提供を開始した。「コミュニケーションフリー」をキャッチフレーズに、LINEや特定のSNSの利用を無料とする大胆な戦略で、後発ながらMVNOの本命に躍り出た。本稿では、同日都内で開催された記者発表会の模様をレポートする。
ユーザーのコミュニケーションを自由に
LINEではスマートフォンユーザーのアクティブ利用度が高いサービスとして、LINE、Twitter、Facebookの3つのSNS・メッセージングサービスを認定。一方で音楽や映像といったリッチコンテンツが増えたことにより、パケット使用量の上限に達して通信制限を受けてしまうユーザーがいるかと思うと、パケットを大量に残してしまうユーザーもおり、利用動向に合わせた料金プランが十分提供できていないと分析した。
そこでLINEでは「コミュニケーションフリー」を旗頭に掲げ、SNSなどの通信ではパケットを消費しないMVNOサービス「LINE モバイル」の提供を開始する。LINE モバイルの特徴は、前述したLINE、Twitter、Facebookの3サービスについて、主要な機能のデータ通信量をカウントしない「カウントフリー」を実現している点。この3サービス(および対象機能)に含まれる範囲であれば、動画などの再生も自由に行える。これにより、基本的なコミュニケーションは思うままに利用できる一方で、その他のコンテンツにパケット容量を集中できる。LINE モバイルでは今回SNSのカウントフリー化を「LINE モバイル 1.0」とし、次の段階ではLINEミュージックのフリーカウント化を検討しているとした。
9月5日の14時よりソフトローンチとして2万名限定で販売が開始され、10月1日からは本格サービスの開始として一般販売が行われる。販売はLINE モバイルのウェブサイトからのみ行われ、当面LINEの直営店、および量販店等での販売は行われない。SIMカードは早ければ発送の翌日に到着し、ユーザーがLINEサポートに電話すれば即座に、それ以外の場合でも、到着後最大2日で自動的にアクティベーションされる。
料金プランは、・LINEにかかる通信量がカウントされない「LINEフリープラン」と、・LINE、Twitter、Facebookの3サービスの通信量がカウントされない「コミュニケーションフリー」プランの2種類から構成され、これにデータ通信容量やSMS/音声通話の有無などでバリエーションが用意される。SIMカードのみ、SIMカードとSIMフリー端末のセットでの提供も行われる。料金の支払いはクレジットカードまたはLINE PAYカードでの支払いに対応する。
月額利用料金の詳細は以下の通り。
LINE フリープラン
データ通信のみ
- 月額利用料金: 500円(1GB)
データ通信+SMS
- 月額利用料金: 620円(1GB)
データ通信+音声通話
- 月額利用料金: 1,200円(1GB)
コミュニケーションフリープラン
データ通信+SMS
- 月額利用料金: 1,110円(3GB) / 1,640円(5GB) / 2,300円(7GB) / 2,640円(10GB)
データ通信+音声通話
- 月額利用料金: 1,690円(3GB) / 2,220円(5GB) / 2,880円(7GB) / 3,220円(10GB)
LINE、Twitter、Facebookにおけるカウントフリーの対象機能は以下の通り。
LINEの無料対象機能
- トーク機能: テキスト/音声メッセージ、スタンプ、写真、動画、その他ファイルの送受信
- 通話機能: LINE通話(LINEユーザー同士のIP電話)とビデオ通話
- タイムライン: 画像/動画を含む画面閲覧と投稿
- その他: スタンプや着せ替えコンテンツのダウンロード、アカウント設定、友達一覧画面の表示と友達追加、「その他」画面の表示
Twitterの無料対象機能
- タイムライン: 表示/投稿(写真/動画含む)ホーム/ニュース/通知の表示
- メッセージ
- プロフィールの編集
Facebookの無料対象機能
- タイムライン/ニュースフィード: 表示/投稿(写真/動画を含む)
- リクエスト
- お知らせ
- その他の画面表示
- プロフィールの編集
なお、LINEやFacebookで提供されるコンテンツのうち、ゲームなどは無料通信の対象にならない点に注意したい。カウントフリーと思って遊んでいると、気がついたら通信制限に到達している可能性も高い。