KLMオランダ航空は9月3日、日本路線でのボーイングB747の運航を終了した。最終フライト(KL862便)は29年前にノンストップ便の日本発初便に乗務した航空機関士が、今回は機長として任務にあたり、満席で成田を離陸した。
"ジャンボ"の名称で親しまれたボーイングB747は、1971年2月にKLMオランダ航空の保有機材となり、日本路線での初就航は1971年10月31日となった。当時は南回りのアムステルダム=東京(羽田)路線で、ヨーロッパの航空会社では最も早い就航であり、飛行時間は23時間35分を記録している。1987年4月3日には、ボーイングB747によるアムステルダム=東京(成田)ノンストップ便が就航した。
9月3日の最終フライトではノンストップ便の日本発初便に乗務した航空機関士が機長として任務にあたり、出発前の機内では特別なケーキが運び込まれ、クルー全員が参加してケーキカットを実施した。
最終フライトの機長を担ったオットー・ファン ブルッヘン氏は、「B747は私にとって思い出深い飛行機です。29年前、ロシア上空を通るノンストップ便(直行便)は週に1便だけでした。当時航空機関士だった私は誰よりも早く運航準備のため乗船しましたが、燃料を15万3,000Lも積み込むのにびっくりしました。ゆったりした大きな機体、ビジネスクラスの2階席はこぢんまりした雰囲気で人気がありました。今後、東京線で運航されるボーイングB777-200やB777-300の乗り心地も好評ですので期待してください」とコメントしている。
搭乗ゲートでは記念撮影用にボードやバナーが用意され、最終フライトの搭乗者全員にボーイングB747が描かれたビスケットとKLMのボールペンがプレゼントされた。また、当日の食事のデザートにもサプライズを用意。ビジネスクラスではレアチーズケーキの上にKLMのブルーのロゴが入ったホワイトチョコレートプレートのスペシャルトッピングし、エコノミークラスではマンゴームースケーキの上に同様のスペシャルトッピングを施してデザートが提供された。
現在KLMでは、保有機材の最新化とグレードアップした機内のリニューアルに取り組んでおり、今後日本路線ではフルフラットのワールドビジネスクラスを含む最新の客室を装備した、ボーイングB777-200 、B777-300、およびB787-9が運航される。