ドイツ・ベルリンで開催中の家電イベント「IFA2016」にて、オンキヨー&パイオニアイノベーションズが未発表のハイレゾポータブルプレーヤーを参考出品している。その仕様はごく一部しか公開されていないが、現地で撮影した写真と関係者の話をもとに、どのような製品となるか考えてみたい。

「DP-X1」の上位にくる「次世代モデル」

IFA2016のオンキヨー&パイオニアブースに展示されている、オンキヨーの次世代プレーヤー。色はブラックのみで潔く勝負

オンキヨーブランドのエリアには、2機種の未発表プレーヤーが展示されていた。一つはAndroid OSを搭載して人気を集めている「DP-X1」の上位にくる「次世代モデル」、もう一つはよりコンパクトな「小型高音質モデル」だ。ともにショーケースに入った状態で展示され、見たところモックである。

次世代モデルは、5インチ液晶を搭載しており、厚みがスマートフォンの2倍強といったサイズ感。右側面の操作ボタン類や天面のバランス接続端子などを見るかぎりは、DP-X1の流れを汲むデジタルオーディオプレーヤーといった印象を受ける。

ところが、背面に1,600万画素のカメラ、前面に800万画素のフロントカメラ、底面にスピーカーマイクを搭載しているところあたりから、スマホ的な匂いが漂いはじめる。右側面には、カードスロット用と思しきカバーがあるが、これが結構長い。公開された仕様リストによると、microSDカードスロットは2基ではなく1基のようだが、カバーはどう見ても2基分以上の長さがある。さらにカバーの中央には、スマホで見かけるSIMスロットのカバーと同じように穴が開いている。

通話も可能とか、SIMスロットを1基とか、スマホ機能の搭載を確信させる表示も説明も一切ないのだが、筆者を期待させる状況証拠のようなものが次々と見つかっていく。

右側面下部に見えるスロットカバーが、スマホ機能・SIMスロット搭載の予感を深める

底面にはスピーカーマイクが

背面には1,600万画素のカメラが

通常のヘッドホン端子のほか、2.5mm・4極のバランス接続端子を装備する

ドイツ語で書かれた公開仕様リスト。デュアルDAC搭載、DSDやMQAへの対応をうたっている

ブースで同社のスタッフにさらに話を聞けば、オーディオ基板はDP-X1に比べ約半分の面積に縮小できたという。つまり、残り半分の面積に別の機能を持った基板を入れる可能性があるとも推察できる。OSはもちろん、Androidを予定している。

今秋には、次なる情報公開が予定されている次世代モデル。発売は2017年に入ってからになるという。果たして、ハイレゾ対応プレーヤーとスマホ機能を統合したモデルとなるのか!? 筆者の期待を裏切って、iPod Touchのようにカメラ機能とWi-Fi機能を持ったプレーヤーで収まらないよう、楽しみに待っていますよ!

こちらは同じショーケースに入っていた「小型高音質モデル」。液晶のサイズは2.4インチ

小さいながらも、バランス接続端子を搭載。左側面に2基のmicroSDカードスロットを用意する

小型高音質モデルの公開仕様リスト。DSDやMQAにも対応する予定だ。パイオニアブランドから姉妹機が出るが、オンキヨー版はコンデンサーまわりにプラスアルファの優位性を持たせるとのことだ