小さな鉢に自然のミニチュアを育てる「盆栽」。その起源は数千年前の中国にあり、その後、日本に渡来してきたものとされているが、もはや日本で独自の発展を遂げた固有文化と言えるのではないだろうか。少し前までは「おじいちゃんが庭でチョキチョキ」というイメージがあったものの、今ではおしゃれなインテリアとして若い世代にも人気だ。そんな盆栽を、海外の人はどのように感じているのだろうか。日本在住の外国人20人に聞いてみた。
Q.盆栽は好きですか? 盆栽に対する印象を教えてください
芸術的で好き
・「植物の大きさと関係なく、それぞれの作品に世界観がはっきりと表現されているところはすごいと思います」(ウクライナ/30代前半/男性)
・「盆栽は大好きです。長い時間をかけながら、さまざまな技巧を使って、植木鉢の中に自然の風景を再現するというのは実に素晴らしいです。そして、生きた植物なので、完成品というものがなく、常に変化するのも魅力的です」(ルーマニア/30代前半/女性)
・「盆栽は個人的に接触したことがないですが、個人的にも母国でのイメージ的にも、優雅で洗練された趣という印象があります」(イタリア/30代前半/男性)
・「好きです。奇麗で繊細。小さな世界のように感じます」(タイ/30代前半/男性)
・「好きです。かわいくて、自然を室内で楽しむこともできますし、コンセプトが深いと思います」(フランス/30代前半/男性)
・「印象は、一生残るとっても繊細な芸術です。見るのは好きですが、高いイメージがするし手間がかかるからやろうとは思いません」(ブラジル/20代後半/男性)
心が落ち着く
・「好きです。シンプルだが、落ち着く感じ」(ベトナム/20代後半/男性)
・「自分の家のバルコニーでも植えてみようと思ったくらい好きだった。穏やかで心を落ち着かせるものというイメージがある」(台湾/20代後半/女性)
手間がかかりそう
・「盆栽は好きですが、知識がないため、第一印象は年取っている方の趣味で、かなり手間がかかるというイメージです」(中国/30代中半/男性)
・「盆栽は好きですが、あまり世話をしなくていいサボテンと多肉植物が一番好きです」(香港/20代後半/女性)
・「好き。とても美しくて、非常に時間と手間がかかるから、盆栽をやっている人に対して感謝する」(ロシア/20代中半/女性)
植物を小さく育てるのは……
・「盆栽は眺めてとても美しいです。ただ、その作り方、背景にある考えの『短くして、小さくして人工的に作る美しい木』が苦手です。大きくなれるはずの植物を無理やり小さくするということが好きじゃない」(ハンガリー/30代前半/女性)
・「好きではない。植物をのびのびと成長させない」(パラグアイ/30代前半/女性)
特に興味なし
・「盆栽にあまり興味がないです。印象と言えば、ああ何か植物かなーみたいな感じです(笑)」(モンゴル/30代前半/男性)
・「盆栽に興味がありません。日本の1つの有名なものですので前もって知っていて、小さいからかわいい木だと思います」(スペイン/30代前半/女性)
・「盆栽はやったことがありません。何がいいのかもわかりません」(インド/40代前半/男性)
・「好きではないが、すてきな趣味だと思う」(韓国/20代前半/男性)
・「実は特に興味がないので何も知らないですが、見たらかっこいいと思います。育てるのは大変そうだと思います」(アメリカ/30代前半/女性)
・「盆栽は好きでもないし、嫌いでもないし、でもあんなに大きくならない植物は不思議だと思います」(フィリピン/40代前半/女性)
・「特に好きとか嫌いとかはありません。ですが、かわいいと思います」(インドネシア/40代前半/女性)
総評
外国人から見た「盆栽」。好意的な評価としては、「繊細な芸術」「美しい、かわいい」という意見が多いようだ。「生きた植物なので完成品がなく、常に変化するのも魅力的」(ルーマニア/30代前半/女性)というように、人と自然の共作のような奥深さを感じてくれている人がいる反面、生きているものを「無理に小さくしている点がいただけない」というような意見もあった。
しかし、実は植物としては「案外このサイズいいかも」と思っているかもしれない。見る人の受け取り方の問題でもあるのだろうが、それぞれに異なる意見があるのはおもしろいものだ。
調査時期: 2016年7月16日~2016年8月15日
調査対象: 日本在住の外国人
調査数: 20名
調査方法: インターネット応募式アンケート
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