ノートルダム大学経営学部4年の韓国人チェ・インヘさんは「理系が嫌いでITにもまったく関心がなかったが、大学の講義で知り興味が湧いた」ことが応募のきっかけだ。
京都に生まれ高校まで名古屋で育ったチェさんは、米国大学に進学しマーケティングを専攻している。オラクルの製品を題材にしたマーケティングの実習を通じてオラクルという企業を知り、日本法人があることから実際にどのようなビジネス文化を両立しているかを知りたくなったそうだ。
「インターン生として働いてみて感じたのは、外資系企業といってもアメリカのビジネス文化をそのまま持ち込んでいるケースは少ないということです。一方で、日本企業とも異なるスタイルで働いていました。日米の文化がありながら、そのどちらでもないという環境がとても面白いと思いました」
就職希望先としては外資系企業を中心に検討しているが、IT企業であっても自分の専攻が生かせることを知り、興味が出てきたところだという。
バラエティに富んだ人材がオラクルの企業文化を育む
海外旅行経験もなく英語もそれほど得意ではない"純日本人"という立場でインターンに参加したのが早稲田大学商学部3年の松野太樹さんだ。
ITベンチャー企業のインターンとしてセールス支援を行っていた時、著名な外資系企業のリストの中に日本オラクルが含まれていた。IT系企業のセールスを志望していたこともあり、調べているうちに興味がわいた。企業サイトからインターンの募集がないかを自力で調べ、Linkedinで知り合ったキャンパスリクルーターにダイレクトにメッセージを送って応募した。
「実際に働いてから困ったのは英語ですね。ノートルダムなど海外の学生はいくつかの外国語を勉強していて、日本語も上手です。こちらがスマートフォンの辞書を片手にたどたどしい英語で質問すると、流暢な日本語で答えを返されるといったこともありました」
インターンシップの内容は刺激的だったという。
「グループで働くこと、社員と同じような待遇を受けること、英語でコミュニケーションをとること、自分たちで課題を発見することなど、今までに見たことない内容のインターンシッププログラムでした。大学では教えられてから行動することが多いと思います。そうではなく、何も情報がないところから自分たちで組み立ててというスタイルは、頭を使うし、とても充実感があります」
松野さんは、IT企業の中でもソフトウェア企業のセールスに職種を絞って、これから就職活動の準備を進めていくという。
4人のケースからもわかるように、オラクルのインターンシップへの参加者は、生い立ちから応募の動機、将来の志望までとてもバラエティに富んでいる。そうした人材が同じ空間を共有し、一緒にプロジェクトに取り組むことは、単なる"研修"だけではない価値を生むようだ。このことは、さまざまな技術やノウハウ、文化を1つの企業のなかでまとめていくことで価値を生み出そうとするオラクルの企業文化そのものを表しているようにも思える。
マーク氏によると、インターンのグループは日本オラクルという組織において1つの部署のような位置づけだという。マーク氏はインターン生をとりまとめるマネージャーのような存在であり、日本オラクルのビジネス文化のイロハを教えてくれるメンターでもある。
「来年はインターン生の人数こそ増やせませんが、対象大学の数は拡大する予定です」と、インターンを通して、多くの学生にオラクルの取り組みを知ってもらうこと、取り組みに触れることで自身の視野を広げてもらうことに期待を寄せる。
日本のIT企業のインターンシップは、時として優秀な人材を優先的に採用するための手段になるケースがある。その点で、日本オラクルのインターンシップは目的がまったく異なる。貴重な経験を体験できる機会として、今後さらに注目を集めそうだ。