前編の記事では、デビットカードのなかでも比較的高還元で、シンプルに使いやすいものを紹介した。後編の今回は、使い方次第で高い還元率を得られる3枚を紹介する。
⇒「デビットカード」ってどんなカード?
⇒クレジット・デビット・プリペイド、どう使い分ける?
⇒デビットカード選びのポイント7つ
■ファミマTカード(Visaデビット付キャッシュカード)
ファミリーマートで提示するとTポイントが貯まる「ファミマTカード」には、クレジットカード、Visaデビット付キャッシュカード、ポイントカードの3種類があり、Visaデビット付キャッシュカードはジャパンネット銀行から発行されている。15歳から申込可能で、年会費は無料。
通常は1会計500円のショッピング利用につき1ポイントが貯まるが、ファミリーマート利用時は200円につき1ポイント(デビットポイント)。これとは別に、ファミリーマートではカード提示によるショッピングポイントも貯まり、こちらは200円につき1~3ポイント(毎月の利用金額により異なる)。毎週火曜と土曜の「カードの日」は、デビットポイントが2倍、ショッピングポイントが3倍(200円につき3ポイント、ブロンズランクの場合)となり、合計200円につき5ポイントが貯まる。
海外利用時の為替手数料は3.02%。利用限度額は預金残高の範囲内で、1日最大100万円まで。1日あたりの限度額は、1万円単位で設定することも可能。使わないときはWeb上でカードにロックをかけることができ、「カードレスVisaデビット」のサービスを利用すれば、ネット専用で使えるカード番号を自由に発行することもできる(利用時はTポイントではなく、現金と交換できるJNBスターが貯まる)。不正利用の被害に遭った際は、その日より30日以内にジャパンネット銀行へ届け出ることで、年間最大500万円まで補償を受けられる。
■イオンデビットカード/イオン銀行キャッシュ+デビット
イオン銀行のデビットカードは、Visaブランドの「イオンデビットカード」とJCBブランドの「イオン銀行キャッシュ+デビット」から選択でき、前者は18歳(高校生除く)から、後者は15歳(中学生除く)から発行可能。どちらもショッピング利用時には、ときめきポイントが貯まり、1回の決済200円につき1ポイント。1,000ポイント以上貯めると、WAONポイントやdポイント、JALマイル、各種商品や商品券などに交換できる。
全国のイオンなど対象店舗では、いつでもポイント2倍で、毎月20・30日の「お客さま感謝デー」は5%オフ。55歳以上の会員であれば、毎月15日の「G.G感謝デー」も同様に5%オフとなる(後日キャッシュバック)。さらに毎月10日の「ときめきWポイントデー」は、イオン以外でもポイントが2倍。イオン銀行普通預金金利も上乗せになる。また、「イオン銀行キャッシュ+デビット」は、WAONのオートチャージもWAONポイントの付与対象となるなど、クレジットカードである「イオンカードセレクト」とほぼ同等の特典がある(各特典はいずれも一部対象外あり)。
海外利用時の為替手数料は1.6%で、デビットカードとしては低く抑えられていることも特徴。利用限度額は1カ月100万円までで、1回、1日、1カ月あたりの限度額を設定可能。「イオンデビットカード」のほうは、預金残高が不足していても、一時的に10万円まで立て替えてくれるサービスがある(申込時に審査あり)。
不正利用の被害に遭った際は、イオン銀行が届け出を受理した日を含めて61日前までさかのぼり、それ以降に発生した損害額が全額補償される(故意または重大な過失があった場合を除く)。また、同カードで購入した商品(1品5,000円~50万円)が偶然の事故により破損した場合、購入日から180日間、年間50万円(1事故につき自己負担額5,000円)まで補償するショッピングセーフティ保険も付帯している(一定の条件あり)。
■Sony Bank WALLET
ソニー銀行の「Sony Bank WALLET」は、15歳から申込可能で、年会費は無料。通常は国内でのショッピング利用1回につき0.5%がキャッシュバックされるが、ソニー銀行との取引状況に応じてキャッシュバック率は最大2%までアップする。
月末の預金と投資信託の総残高が300万円以上、または月合計5万円以上の外貨預金の積立購入があれば、翌々月の1カ月間はシルバーステージとなり、キャッシュバック率は1%。外貨預金残高500万円以上(円換算額)ならゴールドステージでキャッシュバック率1.5%。外貨預金残高1,000万円以上ならプラチナステージとなり、キャッシュバック率は2%。なお、キャッシュバックは月20万円が上限となっている。
米ドル・ユーロなど対象10通貨の買物では、外貨普通預金口座に残高がある場合、同口座からの支払いとなり、為替手数料は無料となる(対象10通貨以外の買物では1.76%の手数料が必要)。海外ATMで現地通貨を引き出す際は、対象10通貨の場合は預金があれば引き出し額に対して1.76%の手数料、対象通貨以外の場合は引き出し額をVisaのレートで円換算した金額に対して1.76%の手数料が必要となる(別途ATM利用料が必要な場合あり)。
利用限度額は1日200万円、1カ月1,000万円までで、どちらも1万円単位で設定可能。不正利用の被害に遭った際は、ソニー銀行へ報告した日からさかのぼること30日以内に発生した損害について、1日あたり、利用限度額の範囲内で補償を受けられる。また、同カードで購入した商品の破損・盗難などによる損害を購入から60日間、年間50万円(1事故につき自己負担額5,000円)まで補償するショッピング保険も付帯。このほかにも、他行宛ての振込手数料が無料となる回数が毎月1回プラスされ、ソニーストアでの買物が3%オフになるなど、独自の優待も備えている。
以上、前編と合わせて6枚のデビットカードを紹介した。前編でも触れたが、デビットカードにはクレジットカードのような審査があるわけではないので、複数枚を使い分けても問題ない。ライフスタイルや利用シーンに応じて、最適なカードを選ぼう。
※本記事で紹介したサービス内容は、消費税率8%を前提とした更新日時点の情報です。また、各サービスには一部対象外となるケースがあります。ご利用の際は公式サイトなどで最新の情報をご確認ください。
<著者プロフィール>
タナカヒロシ(ライター・編集者)
普段は音楽やエンタメ関係の仕事が多いが、過去に勤めていた会社の都合でクレジットカード本を作ったことをきっかけに、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどに詳しくなる。以降、定期的にクレジットカードのムック本を編集・執筆。3月7日発売の『最強クレジットカードガイド2016 本当にトクするカードの選び方・使い方=写真=』(角川マガジンズ)では、編集統括および記事の大部分を執筆している。
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