JR貨物は1日、台風10号による電線切断や橋りょう流出などで複数の線区が不通となった影響で、北海道を発着する貨物列車が運転できない状況であることを発表した。北海道内の不通区間では、トラックによる代行輸送の態勢を整えるという。

北海道への台風上陸で、道内の貨物列車も影響を受けた

トラックによる代行輸送は、複数の橋りょうや路盤流出などにより、復旧まで1カ月以上かかるとみられる石勝線・根室本線と石北本線で計画されている。通常、石勝線・根室本線では1日16本、石北本線では1日2本の貨物列車が運行しており、1日あたりの輸送力は合わせて片道3,000トンを超える。おもな積載物は、農産物、紙・パルプ、書籍・雑誌、食料品など。

これをカバーするため、帯広貨物~札幌ターミナル・富良野間と北見~北旭川間でトラックによる代行輸送を実施。あわせて富良野~札幌ターミナル間に臨時列車、帯広貨物~釧路貨物間に区間列車を運転し、トラック代行と接続させる。

通常は1日42本、片道最大約1万トンの貨物が輸送される函館本線は、約200本以上の倒木によって電気設備に大きな被害を受けた。北海道内各地から青函トンネルを通って本州・九州に向かう積載物も多いことから、JR貨物は復旧作業が終わり次第、運転再開をめざすとしている。