日中の外出のお供にサングラスを使用する人は多い。紫外線をカットしてくれ、日差しがきつい中でも視界を確保してくれる優れものだが、どうやら定期的に買い換えないといけないようだ。
海外のさまざまなニュースを紹介する「MailOnline」にこのほど、「サングラスと紫外線ダメージ」にまつわる記事が掲載された。長年にわたり同じサングラスをかけ続けると、失明リスクが高まることを研究者たちが警告している。
太陽光線にさらされ続けることでレンズはダメージを負うが、それは徐々にレンズの保護機能が薄まり、紫外線の目への侵食を許していることを意味する。適切なUVフィルターなしの目の露出は、不可逆的な目のダメージを引き起こす可能性がある。
ブラジルの研究者は「フィルターの安全範囲を確立するため、サングラスの品質検査基準を改定すべきだ」と提唱している。新しい検査では、2年間の安全なサングラス使用は保証されるだろうとの見解を示しており、使用から2年を経過したら買い換える必要性が生じることを示唆している。
日光への露出は地域によって異なるが、熱帯諸国は直射日光を浴びる割合が世界で最も多く、紫外線のレベルは夏に非常に高くなり、冬でも高いままだ。そのため、南半球では北半球よりも頻繁にサングラスを替える必要があるかもしれないとのこと。
また、直射日光に継続的にさらされ、壊れやすくなったレンズはさまざまな目のトラブルを招く。例えば、適切に目を保護していないサングラスをかけていると目が腫れ上がり、視覚が乱れる。目のレンズが曇ることで視力が落ちる白内障や、角膜に結膜が伸びて侵入してくる病気・翼状片になるリスクもある。さらに紫外線に長期間さらされると、黄斑に損傷が生じることもある。
「目の健康は世界中、特に夏に紫外線指数が極端に高くなる熱帯諸国では大きな関心事項です。南半球のほとんどの国では、サングラスの基準が紫外線の状況に合っていないのです」とサンパウロ大学のリリアン・ヴェンチュラ教授は語る。
現在ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランド、いくつかの南アメリカの国で用いられている検査は、直射日光に当たることによってどの程度レンズが痛むかを計算している。ただ、ヴェンチュラ教授は「現在行われてる検査は非効率的であり、サングラスの品質を正確に測定していない」と主張している。
高級ブランド物やプレゼントでもらった物など、ついつい長年愛用してしまうサングラスもあるだろうが、自身の目の保護を鑑みると、定期的に買い換えたほうがいいかもしれない。
※写真と本文は関係ありません
記事監修: 杉田米行(すぎたよねゆき)
米国ウィスコンシン大学マディソン校大学院歴史学研究科修了(Ph.D.)。現在は大阪大学大学院言語文化研究科教授として教鞭を執る。専門分野は国際関係と日米医療保険制度。