説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『Wi-Fiをオンにするやいなや「ポケモンGO」の現在位置が正確になります!?』という質問に答えます。
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「ポケモンGO」に限らず、現在位置を測定して地図に反映するタイプのアプリは、Wi-Fiを有効にしたほうが表示は正確になります。地図アプリを利用しているとき、Wi-Fi無効のときは実際の位置と大きくズレていたが有効にしたとたん正確になった、という経験を持つ方も多いのではないでしょうか。
GPSを利用した測位システムは本来時間を要するもので、衛星が送出する航法メッセージ(位置の計算に必要な起動情報や時間が含まれている)すべてを取得するためには、約12.5分もの時間が必要です。一般的なGPSでは最低3基の衛星を捕捉すれば測定できるうえ、取得済の情報をもとに衛星を探索するなどの技術が開発されているため、実際のところそこまで時間はかかりませんが、ある程度待たされてしまうことは確かです。
そのうえ、GPSの信号は微弱です。スマートフォンのように電波や電磁ノイズの影響を受ける機器の場合、状況次第では測定に必要な量の信号を受信できないかもしれません。
そこで利用されるのが「Assisted GPS(A-GPS)」という技術です。インターネット上のサーバなど外部から衛星位置や時刻の情報を取り込むことで、測位の精度を高めて高速化します。情報を取得する経路はスマートフォンなど機器により異なり、iPhoneではAppleのサーバから取得しています。
Appleのサーバでは、世界中のiPhoneから収集した匿名の位置情報がデータベース化されています。Wi-Fiと位置情報サービスがオンにされているiPhoneは、近隣の携帯基地局やWi-Fiアクセスポイント(ログインは必要ありません)の信号を検知し、電波の強さやSSIDといった情報を暗号化してAppleのサーバへ定期送信することで、位置の測定に役立てています。そのとき、Wi-Fi回線を併用したほうが多くの情報を取得できるので、Wi-Fiをオンにしたほうが位置情報が正確になる(ことがある)のです。