京阪電気鉄道は1日、座席指定の特急車両「プレミアムカー」のデザインについて発表した。2017年度上期の導入をめざし、特急用車両8000系の改造工事も進める。これにともない、9月24日から8000系(従来は8両編成)の一部が7両編成での運転となる。
特急用車両8000系は、鴨東線開通にともない1989(平成元)年にデビュー。その後の増備で京阪特急の主力車両になった。デビュー当初は7両編成だったが、ダブルデッカー(2階建て)車両の新造・増結により、現在は8両編成で運転される。「プレミアムカー」は8000系の6号車(京都側から6両目、大阪側から3両目)に連結される。
「プレミアムカー」の名称は、「大阪~京都間の通勤や観光のあらゆるシーンにおいて"ちょっとしたぜいたく感"を味わっていただきたい」との思いから命名された。エンブレムも新たに作成され、京阪特急の伝統的なシンボルマーク「鳩マーク」に三つ星を組み合わせることで、プレミアムな車両と旅客サービスを表現している。外観は赤を基調に、扉周りに金色を配し、特別車両のエントランスとしての存在感を際立たせた。「プレミアムカー」への改造にあたり、京阪電車では初の1扉車になるという。
車内のエントランスと客室はガラス仕切りで区切られ、客室は漆黒・生成りの2色を基調に、アクセントカラーとして金色を配し、カーペットも敷いた上質な空間とする。大型のリクライニングシートを横3列(2列+1列)配置し、座面幅や背もたれの高さ、肘掛けの大きさまでこだわり、包み込まれるような座り心地を実現したという。ヘッドレストやヘッドカバーに「プレミアムカー」のエンブレムをあしらい、足もとにフットライトも設置。移動中のパソコン使用などのニーズにも対応し、すべての座席の肘掛部にコンセントを備え、大型テーブルも装備(一部座席は除く)する。
京阪電気鉄道は「プレミアムカー」の製作状況に関して、現在は試作モデルを製作中で、今秋開催される寝屋川車両基地での「ファミリーレールフェア」に展示予定としている。利用料金やチケットの予約・発売方法、アテンダントサービスについては検討中で、内容が確定し次第、発表となる。通勤利用から観光利用まで「確実に座れる、プレミアムなひととき」を提供することで、「電車に乗ること自体が"楽しい・うれしい・ここちよい"時間・空間となるよう、サービスを提供してまいります」とのこと。
「プレミアムカー」導入に向けた改造工事にともない、9月24日から一部の8000系が7両編成となるほか、一部列車において使用車両や発着番線が変更される。ダイヤの変更は行わない。9月中旬頃から京阪電気鉄道ホームページでも案内される予定で、「ご不便をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いいたします」と発表している。