ワコムは1日、手書きノートをデジタル化して編集・共有可能にするスマートフォリオ「Bamboo Folio」「Bamboo Slate」を発表した。発売は2016年10月以降。
紙の上に書いた文字や図をリアルタイムにデジタル化し、編集・共有することができるデジタル文具。本体に同社独自の電磁誘導方式(EMR <Electro-Magnetic Resonance>)デジタイザーを内蔵し、その上にノートをセットしてデジタイザ対応の専用スマートペンで筆記することで、高精度の「デジタルインクデータ」を生成。本体のボタンを押すことで、データがクラウド上に保管される。専用サービスInkspaceも引き続き提供される。
Bamboo Slate
Bamboo Slateはカバーを持たないスレート型の製品で、A4サイズのlargeとA5サイズのsmallの2種類を用意する。インタフェースも変更されており、電源オンオフや次ページ送り、ペアリングなどの機能を1ボタンに収めたマルチファンクションボタンで基本操作を行う。対応ノートは、従来の約50枚(5mm前後)から、約80枚(8mm前後)へと拡大した。
同梱する専用ペンは、ツイスト式でペン先を収納できる新型ペンに変更。握りやすさを考慮し、形状は丸型から三角型となり、上部にスチールクリップが付属する。筆圧レベルは、従来のBamboo Sparkと同じ1,024段階に対応する。
描いたデータのエクスポート形式は、従来JPG、PDF、WILL(独自ファイル)だったところ、新たにPNGにも対応した。クラウドサービスは、同社のInkspaceに加え、Dropbox、Evernote、OneNoteと連携可能。
主な仕様は、接続方式がBluetooth 4.0、駆動時間が8時間(2.5時間の充電)、対応OSがiOS/Androidなど。largeの対応用紙はA4(210×297mm)、smallの対応サイズはA5(140×216mm)となる。同梱品は、ペン、替え芯×1、microUSBケーブル、クイックスタートガイドなど。カラーはミディアムグレー。
価格はオープンで、店頭予想価格はBamboo Slate largeが税悦18,000円前後、Bamboo Slate smallが税別15,000円前後。
Bamboo Folio large
2015年9月に発表されたカバー付きモデル「Bamboo Spark」の兄弟機で、A5サイズ対応のBamboo Sparkから一回り大きいA4サイズへ拡大した。機能面でもBamboo Slateと同様、マルチファンクションボタンの採用や新型ペンの採用、対応ファイル形式の拡大など、使い勝手が向上している。カラーはダークグレー。
主な仕様Bamboo Slateのlargeとほぼ同等。価格はオープンで、店頭予想価格は税別23,000円前後。
Inkspace
Inkspaceは、Bamboo SparkやBamboo Paperと連携し、データの編集や共有などが可能なワコムのクラウドサービスで、アプリとしても提供。手書きのメモやノートを書いてから「Bamboo Spark」のマルチファンクションボタンを押すことで、ペアリングしたiOS/Androidデバイス上でデジタル化されたデータを閲覧、編集できる(ノート100枚分までは本体に保存可能)。
9月以降は、無料の「Inkspace Basic」と月額500円の「Inkspace Plus」の2種類を提供。無料のInkspace Basicでは5GBのストレージ容量が提供され、WILL形式のデータを保存、編集、同期、共有したり、一般的なファイルを保存、閲覧したりできる。
有料のInkspace Plusでは50GBのストレージ容量が提供され、Inkspace Basicの機能に加え手書きメモをテキスト変換する「Ink to Text」機能や、描画・メモをベクター形式(.SVG)に変換する機能、自分のアカウントに他者を招待し、複数人によるリアルタイム描画機能などが利用できる。
なお、Bamboo Sparkユーザーは無料で手書き文字のプレーンテキスト化機能が利用可能。また、Bamboo Slate/Bamboo Folioユーザーでは、Inkspace Plusが3カ月無料となり、その後月額300円で利用できる特典が用意される。