東京メトロは31日、日比谷線の新型車両13000系の報道公開を都内で実施した。13000系は今年度から営業運転を開始する予定。東京メトロは2020年度までに全44編成(増備2編成を含む。計308両)導入し、13000系による車両更新を進めていく。

東京メトロ日比谷線の新型車両13000系(13101編成)が報道公開された

日比谷線では現在、片側3ドア・5ドアの車両が混在しており、将来のホームドア導入を検討するにあたって課題となっていた。そのため、日比谷線と相互直通運転を行う東武鉄道とも協議し、ホームドアの早期導入に向け、車両を新造してドア枚数の統一を図ることになったという。東武鉄道も日比谷線直通の新型車両70000系を今年度から導入する予定。東京メトロ13000系・東武鉄道70000系の製造は近畿車輛が担当する。

こうした経緯もあり、日比谷線の既存車両03系は1両あたりの車体長18m、片側3ドア(一部編成は前2両・後2両が5ドア)の8両編成だったのに対し、新型車両13000系は車体長20m、片側4ドアの7両編成となった。外観は日比谷線の路線カラーや歴代車両(3000形・03系)の系譜を踏襲しつつ、近未来的なデザインとしている。車両機器や車内の主要設備において、東武鉄道の新型車両70000系との仕様共通化も図られる。

03系と13000系。日比谷線の新旧車両が並ぶ

車体側面上部に優先席・フリースペースのマークも

13000系の車内。座席幅が広がり、座り心地も改善

車内表示器は各ドア上部に3画面ずつ設置

フリースペースの腰当クッションや車両連結部のアシストレバー付き貫通扉など、近畿車輛の手がけた車両ならではの工夫も

13000系の車内はオールロングシート。1人あたりの座席幅は460mmに広がり(03系の座席幅は430mm)、クッション性も改良され、座り心地が向上した。大型化された座席横仕切りをはじめ、連結部や荷棚に透明な強化ガラスを採用し、開放的な車内空間に。車いす・ベビーカー利用者や手荷物の多い利用者に配慮したフリースペースも全車両に設置した。各ドア上部に17インチワイド液晶の車内表示器を3画面搭載し、乗換案内や駅設備案内、ニュースや天気予報など、より多くの情報を見やすく、きめ細やかに提供する。

快適な車内空間とするため、冷房能力も向上。13000系に搭載される冷房装置は58.0kW(03系は48.8kW)とされた。操舵台車の採用により、曲線走行時のレールと車輪から発せられる騒音も低減される。環境負荷低減を目的に永久磁石同期モーター(PMSM)も採用され、03系VVVFインバータ制御車両との比較で約25%の駆動系消費電力量削減を図った。

東京メトロ13000系・東武鉄道70000系の導入により、日比谷線において片側3ドア・5ドアの車両が混在する状況が解消され、相互直通運転を行う東武スカイツリーラインでも、車体長18m・20mの車両が混在する状況が解消される。日比谷線では車両更新が完了する2020年度以降、2022年度にかけてホームドア設置工事を進める計画としている。