鉄道・運輸機構と相模鉄道、東京急行電鉄は26日、神奈川東部方面線事業の開業時期・建設費の変更について発表した。相鉄・JR直通線の開業時期は2018年度内から2019年度下期へ、相鉄・東急直通線の開業時期は2019年4月から2022年度下期へ、建設費は約2,739億円から約4,022億円へ変更される見通しとなった。

相鉄・JR直通線、相鉄・東急直通線ともに開業時期が遅れる見通しに

神奈川東部方面線事業は、鉄道・運輸機構が整備主体、相模鉄道と東急電鉄が営業主体となり、相鉄・JR直通線(相鉄本線西谷駅からJR東海道貨物線横浜羽沢駅付近まで)と相鉄・東急連絡線(横浜羽沢駅付近から新横浜駅付近を経由し、東急東横線・目黒線日吉駅まで)の2つの連絡線を整備。東京都心部から横浜市西部・神奈川県央部への速達性向上、新幹線とのアクセス向上を図るとともに、既設路線の混雑緩和や乗換え回数の減少、沿線地域の活性化への寄与も期待されている。

相鉄・JR直通線は2013年4月にも開業時期の変更が発表され、当初の2015年度内から2018年度内に延期されていた。今回の発表でさらに延期されることになり、その理由を「本線にかかる用地の取得が難航したことや、安全対策設備の検討に時間を要したため」と説明している。

相鉄・東急直通線は2012年に国土交通省に認可された際、開業時期は2019年4月とされていた。しかし、今回の発表で4年近く開業が遅れる見通しに。用地取得の難航に加え、「調査の結果、当初想定よりも地質が軟弱で補助工法が必要となったことなど」を理由に挙げた。

建設費についても、「昨今の建設需要増大等を背景とした建設物価の高騰、土壌汚染対策法の変更をはじめとする法令等の改正、地質調査の結果を踏まえた工法変更等」を理由に1,300億円近く増え、約4,022億円に変更される見通しとされた。

今後に関して、「事業の再評価など必要な手続きを進めてまいります。事業を進めるにあたっては、可能な限りの工期短縮とコスト縮減に取り組んでまいる所存です」と鉄道・運輸機構。相模鉄道と東急電鉄も、「お客様の利便性向上を第一として、1日も早い開業に向けて取り組んでまいる所存です」と発表している。