暑い夏は頭皮のベタつきや汚れが気になるもの。だからこそ毎日シャンプーしているのに、なぜかフケがポロポロ出て止まらない……。そんな経験はないだろうか? 洗っても洗っても出てくる夏のフケ、それは薄毛の危機が迫っているサインかもしれない。豊かでイキイキとした髪は若々しさの象徴。今すぐ正しい頭皮ケアをマスターして、女っぷり&男っぷりに磨きをかけよう。

かわいい子どもたちに変な気を使わせないように注意したい

夏の薄毛はフケの毛穴詰まりが原因

そもそも、夏にフケが増えるのはなぜだろうか。髪とフケの関係に詳しい脇坂クリニック大阪 院長・脇坂長興先生に伺った。

「夏は汗をかくので、新陳代謝が早くなります。新陳代謝が早くなるということは、頭皮のターンオーバーが促進され、いつもより古い角質がたまりやすくなるということ。そこに頭皮の常在菌と大量の汗や皮脂が混ざり合うことで、夏場はベタついたフケが発生しやすくなるのです」。

一方で、古い角質の蓄積によって保湿能力がダウンした表皮は、パラパラとした乾燥性のフケが出やすい状態になっている。特に夏場のエアコンの効いた室内は空気が乾燥しがちなため、古くなった角質がパラパラとはがれ落ちやすくなっているという。

つまり、夏はベタついた脂性フケとパラパラとした乾燥性のフケのどちらも発生しやすいという悩ましい季節というわけ。では、フケがたまるとどんなトラブルが起こるのだろうか。

「皮脂やフケが過剰に作られやすい夏は、頭皮の毛穴が詰まりがちになり、健やかな毛髪の成長の妨げになります。特に脂性フケが紫外線で酸化すれば、活性酸素が発生して毛根が萎縮、抜け毛の原因になります。フケそのものが直接薄毛の原因というわけではありませんが、頭皮と毛穴を清潔に保っておかないと、結果として薄毛につながっていくことは確かです」と脇坂先生。

例えば育毛剤は毛穴から浸透させる必要があるため、その効果をきちんと発揮させるためにも、やはりフケのないクリーンな状態をキープすることが大切になってくる。

男性は脂性フケ、女性は乾燥性フケに要注意

脇坂先生は、男性と女性とでは出やすいフケに違いがあると解説する。

「女性の多くは、パラパラとした粉っぽい乾燥性フケです。その理由は女性ホルモンの変動にあります。加齢によるホルモンバランスの乱れは肌の水分保持能力に大きく影響するため、女性ホルモンが減少する40代以降は特に乾燥性フケが起きやすくなるのです」。

一方、指で触るとベタベタする脂性フケは、圧倒的に男性に多いとのこと。

「脂性フケが男性に多く見られるのは、男性ホルモンが皮脂腺を刺激し、皮脂をどんどんつくり出すため。食生活やホルモンバランスの乱れなどで皮脂が過剰になると、それを餌とする『マラセチア』という常在菌が頭皮で増殖。その結果、頭皮環境が悪化して脂漏性湿疹が発症、ベタッと頭皮に張り付く脂性フケが発生するのです」。

ただ、女性が男性と同じように活躍する現代社会では、女性の脂性フケが増えている傾向にあるという。「仕事ばかりしてるからヒゲが生えてきそう」などと自虐的になっている人は、冗談抜きにヒゲが生えるより先に薄毛にもなってしまう可能性もあるというわけ。女っぷりを上げるためには、ライフスタイルからの見直しも必要と言えそうだ。

タイプ別の正しい頭皮ケア方法

脂性フケ

頭皮の健康は潤いがキープされていてこそ成り立つもの。そのため、頭皮がオイリーだからといって、洗浄力の強いシャンプーを使えばよいというものではない。頭皮の皮脂は、量が正常なら頭皮を守る天然の保湿クリームのようなもの。落としすぎはかえって過剰な皮脂を招きフケを増加させる。

まずは泡立ちのよいシャンプーを使い、頭皮を指先でこすりすぎないよう気をつけながら、毛穴に詰まった皮脂をシャンプーの泡の中に溶かし込むようなイメージで優しく丁寧に洗おう。シャンプー後にはスカルプ用のコンディショナーや、スカルプ用のパックで頭皮と髪の保湿を心掛けるように。

乾燥性フケ

頭皮が乾燥しすぎているときは、頭皮用の保湿剤やUVケアが有効。頭皮だけなら顔やボディ用のものでも構わないが、ボディ用UVケア剤の中には髪の毛に付くと髪のキューティクルを傷めて折れ毛や切れ毛になりやすいものもある。そのため、やはり髪や頭皮専用のケア製品を使うことが無難だ。髪や頭皮用のものは、保湿と同時に髪のツヤやコシをアップする効果もある。

どこに行ってもエアコンの効いている夏は、汗・皮脂による脂性フケと、エアコンなどによる乾燥性フケが混合した状態になる。その時々の頭皮の状態をよく見極めて、正しいケアができるようにしておこう。

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