本田技研工業(ホンダ)は25日、新型「NSX」発表会を都内で実施した。同車は1990年の初代モデル以来、26年ぶりのフルモデルチェンジとなるスーパースポーツモデル。8月25日から国内で購入の申込み受付を開始し、2017年2月27日に発売される。

ホンダ新型「NSX」発表会が都内で行われた

発表会では、本田技研工業代表取締役社長 社長執行役員の八郷隆弘氏が登壇。「初代NSXで、私たちは既存のクルマとは違う新たな価値を提供したいという夢に挑戦しました。『人間中心のスーパースポーツ』の考え方を注入し、世界トップクラスのハンドリング性能と快適性を高次元で両立させました。あれから四半世紀以上が経過し、もう一度スーパースポーツに挑戦したい、新たな価値を提供したい、そんな思いがわき上がりました。それを形にしたのがこの新型NSXです」と同車を紹介した。

新型「NSX」では、初代モデルのコンセプトを踏襲しつつ、ホンダ独自の電動化技術と融合。高効率・高出力の3モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD」を搭載し、ミッドシップにレイアウトした3.5リットルV型6気筒ツインターボエンジンと、高効率モーターおよび9速DCT、トルクベクタリングを可能とするフロントの左右独立モーターなどの組み合わせにより、リニアで力強い加速や優れた回頭性能を実現。高レベルのレスポンスとハンドリング性能による新たな走りの喜びを追求したという。

ドライバーの意思に呼応するパフォーマンスに加え、軽量かつ剛性の高いボディ、デザイン性と空力性能を兼ね備えたエクステリア、視認性や快適性を重視したインテリアなども特徴。走行シーンに合わせて「Quiet」「Sport」「Sport+」「Track」の4つのモードから最適な車両特性を選択できる「Integrated Dynamics System」を採用し、市街地からサーキットまで幅広い場面で楽しめるスーパースポーツを実現している。

発表会の会場に「NSX」初代モデルも展示された

テッド・クラウス氏(写真左)と八郷隆弘氏(同右)による握手も

八郷氏によれば、新型「NSX」は日米の研究所の合同チームにより開発されたという。生産は米国オハイオ州の専用工場「パフォーマンス・マニュファクチュアリング・センター」で行われ、熟練した従業員約100名がボディ製造・塗装・最終組立てまで担当する。

開発責任者のテッド・クラウス氏(Honda R&D Americas)、生産責任者のクレメント・ズソーザ氏(Honda R&D Americas)も発表会で登壇。新型「NSX」のプレゼンテーションを行った。「開発にあたり、日本でオーナーの方々に会い、"NSXらしさ"を深く理解することから始めました。そうして培われた"NSXらしさ"を基準にすべての意思決定を行いました」とテッド氏。同車の基本コンセプトとして、「瞬時に反応する加速性能」「ドライバーに呼応するハンドリング性能」「ヒューマン・フィット」の3つを挙げた。

ホンダは新型「NSX」に続き、9月には新型「フリード」も発表する予定。「フリードのような生活に役立つクルマ、NSXのような操る喜びを追求するクルマ、その両方を作っていくことがホンダのテーマ。我々にとっての挑戦という意味でも、スーパースポーツは大切な存在と考えています」と八郷氏。この時期に新型「NSX」を投入することに関して、「いまは収益面など苦しいところもあるとは思いますが、生活に役立つクルマ・操る喜びを追求するクルマの両輪をしっかりやっていくことが、ホンダブランドのレベルアップにもつながっていくと思っています」と説明した。

新型「NSX」はボディカラー全8色、インテリアカラー全4色を用意し、価格は2,370万円(税込)。ホンダ認定のサービスエンジニア「NSXスペシャリスト」が在籍し、専用設備も備えた「NSX PERFORMANCE DEALER」(全国の「Honda Cars」から選定)が購入やメンテナンスのサポートを担当する。