仕事に行き詰る時間帯、ない?

毎日の仕事に追われている中でなんとなく、「あれ、なんか企画書作成がうまく進んでいない」などと感じた経験はないだろうか。その仕事のちょっとした行き詰まりは、もしかすると時間帯に関係しているのかもしれない。

海外のさまざまなニュースを紹介する「MailOnline」にこのほど、2,000人の労働者へのアンケートをもとにした研究を紹介する記事が掲載された。同記事によると、多くの人は昼食後に仕事で"スランプ"に陥る時間があるという。

その正確な時間は午後2時22分だそうで、多くの労働者は週に3回までこのような状態に陥っていることが最近の研究で明らかになった。この"スランプ"の最大の原因は「寝不足」(2位)や「仕事の多さ」(3位)ではなく、「暖かい職場」だという。また、脱水症状や昼食の食べ過ぎも原因のトップ10にあげられている。

この現象は職場全体に見られる傾向のようだ。4分の3の労働者が同じころに同僚がスランプに陥っているのに気付いており、10人に3人は仕事をサボっているところを見つかっており、そのうち4分の1は上司から注意を受けている。

そして、"スランプ時"にやりがちなミスが「電子メールの誤送信」だ。そのほか、会議でボーっとしたり、同僚の名前を間違ったり、重要書類でミスをしたり、電子メールでスペルミスしたりするといった事例が多いことが判明した。

"スランプ"の常連者は、昼食時に新鮮な空気を吸ったり、たくさんのコーヒーを飲んだりして対処しようとしている。また、回答者の7人に1人は「食生活を変えればこの"スランプ"は防げる」と考えていることも研究で明らかになった。実際、回答者の半数は「オフィスでの食事は自宅で食べる物よりもひどい」と話しており、7人に1人はたくさんのジャンクフードを摂取していたという。

この研究に携わったクリス・アリゴニ氏は「適切な昼食を食べず、水分をしっかり摂(と)らなければ、午後に集中力がなくなります。十分に水分補給をしていれば目はパッチリとし、仕事をこなせるようになります」と指摘。

そのうえで、「午後のスランプを避けるためにカフェインがよいように思う人が多いのですが、実際のところは次第に気分は悪くなっていくでしょう。午後のスランプを避けるためには、冷たくてより水分補給に適した飲み物が必要なのです」と続けている。

午後2時台に「仕事がはかどらない」と自覚している人は、ランチ後のドリンクをホットコーヒーではなく冷たいミネラルウオーターにした方がいいかも!?

※写真と本文は関係ありません

記事監修: 杉田米行(すぎたよねゆき)

米国ウィスコンシン大学マディソン校大学院歴史学研究科修了(Ph.D.)。現在は大阪大学大学院言語文化研究科教授として教鞭を執る。専門分野は国際関係と日米医療保険制度。