ザ・カーズ(以下カーズ)の5枚目のアルバム『ハートビート・シティ』は1984年に発表された。カーズの中でも最も僕が好きなアルバムだ。4曲のシングルが生まれ、MTV時代でも不動の地位を築いた。
ザ・カーズとトーキング・ヘッズ どっちが好き?
さて、今回もアンケート回答者1,000人突破で調子に乗っている御徒町のテンションです。 カーズは大好きだが、ライバルってどのバンドだろう? と考えると悩んでしまう。周りのロック好きに尋ねると、やれ、ザ・フィーリーズだ、やれ、ディーヴォだ、それ、ザ・チューブスだのと教えられたが、どれも知らない。しかたないので自分で考えた。カーズは、ポストパンクともニューウェイブとも言われていた。僕はだいたい、ポストパンク、ニューウェイブがわからない男である。カーズを初めて聞いたとき「なんてカッコイイ、ロックだろう!?」と思ったものだ。しかし、ポストパンク、ニューウェイブと言われている、同時期に売れていたトーキング・ヘッズを思い出したので、対決させてみたのだ。
トーキング・ヘッズ、ハッキリ言って僕はあまり知らない。「ロード・トゥ・ノーウェア」はMTVで見て大好きになったが、他はピンと来ないままだった(ファンの方失礼)。しかし、この結果を見て、トーキング・ヘッズ、意外に人気あるんだなぁ、とヒトゴトのように思った次第である。
神奈川県、49歳女性の方から「トーキング・ヘッズを入れておいて、ストップメイキングセンスとサイコキラー対決が無いとは何事か!?」というお叱りをいただいた。むむ、僕はどちらも知らない。
カーズのヴォーカル どっちが好き?
カーズのヒット曲は多いが、ヴォーカルはリック・オケイセックとベースのベンジャミン・オールが手分けして歌っている。しっとりとしたバラードやマジメなロックはベンジャミン、ノリのよさや、不思議な曲はリックが似合うと思う。
やはり、ベンジャミンであったか。カーズの1stアルバム、1978年発表の『錯乱のドライブ』の3曲目、「燃える欲望 (Just What I Needed)」は彼らの輝けるデビュー曲でもある。ベンジャミン、31歳である。印象に強く残っているのも当然だ。
カーズの曲 - 「レッツ・ゴー」と「燃える欲望」どっちが好き?
「レッツ・ゴー」は1979年発表の2ndアルバム『キャンディ・オーに捧ぐ』の1曲目、とてもカーズらしい軽快なロックである。
『リックのヴォーカルの味が遺憾なく発揮されている曲だ。リックはこの時30歳だった。』
と掲載当時、記載しておりましたが読者の田中様よりヴォーカルはベンジャミンだとご指摘がございました。
38年の長きにわたり僕が勘違いしておりました(え~、でも、飄々としたところなんかリックっぽくない?)。申し訳ございません。田中様、ご指摘ありがとうございました。(2018年1月10日追記)
やはり、「ジャスト・ワット・アイ・ニーデッド」が62%と圧倒的だった。「レッツ・ゴー」のテクノ的なサウンドもかなりいいのだが、僕も比べたらこちらを押すだろうな。
カーズの曲 - 「マジック」と「ユー・マイト・シンク」どっちが好き?
どちらも『ハートビート・シティ』からのヒット曲で、「マジック」のビデオはリックが真っ青な空の下、プールの水面に立ちマジック的な演出が面白いものだった。
当然、「ユー・マイト・シンク」の圧勝と思っていたが、意外に「マジック」も善戦の47%。「ユー・マイト・シンク」のビデオはCG合成の嵐でかなりポップで先鋭的な仕上がりで、84年当時はやりまくっていたマイケル・ジャクソンの「スリラー」のビデオを押しのけてMTVミュージックビデオアウォードを受賞している。
カーズの曲 - 「ハロー・アゲイン」と「ドライブ」どっちが好き?
これも両方とも『ハートビート・シティ』からの曲だ。「ハロー・アゲイン」は曲も微妙だし(!)、ビデオに至っては最悪だった。もともと、カーズのビデオは出来がよく、ポップだし、キュートな女の子が出てきていい感じなのが多かった。それをわざわざ、「ハロー・アゲイン」では巨匠アンディー・ウォホールを連れ出して監督させている。これがダメダメなのだ。ニシキヘビを首に巻いたモヒカンやSMの女王みたいなのが出てきたり、ふしだらなキスシーンが連続したりと、若かりし頃の僕は憤慨したものである……。
驚愕の結果である。「ドライブ」が45%と負けているではないか!? 回答者のみなさん、どうかしてるぜ。「ドライブ」はベンジャミンのクールで切ない歌声に素晴らしいバラードではないですか。カーズの中でも僕は1、2を争う名曲と信じているのに。さらに、ビデオもモノクロ基調のカーズらしからぬ落ち着いた感じで、何よりも登場する女の子がとてもカワイイ。とてもカワイイ。2度言ってしまうほどかわいいのだ。カーズのビデオ、ジャケットに登場する女の子の中で1番である。ついでに、ベンジャミン、ニヒルでそこそこカッコイイ。
でもベンジャミンはこのビデオから16年後、53歳の若さでこの世を去った。ガンには勝てなかった。オリジナルメンバーでの再結成はもう見られない。残念ですね。と嘆いていたら、2011年、リックはベンジャミンの代わりなどいないと、代わりのベーシストを入れずに再結成を果たし、ニューアルバム『ムーブ・ライク・ディス』を発表した。ちょっと安心した。
次回は、エアロスミスのあれやこれやを対決して見せましょう。8月26日(金)掲載希望。
調査時期: 2016年7月16日~18日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 40歳以上1,067名(男性825名 女性242名)
調査方法: インターネットログイン式アンケート