Let'snote20周年を記念して発売された、10.1インチディスプレイ搭載2-in-1 PC「RZシリーズ プレミアムエディション ジェットブラック」を、モバイル性と使い勝手について2回に分けてレビューしてきました。最終回である今回は、パフォーマンスにスポットを当ててチェックしていきましょう。
RZシリーズは、1.2~3.1GHzで動作する2コア/4スレッドの「Intel Core m7-6Y75」プロセッサを搭載しています。最新のSkylake世代(第6世代)のプロセッサではありますが、高い処理性能よりも、低消費電力性能に重きを置いた製品です。
それでは早速、本機がどのくらいのパフォーマンスを備えているのかベンチマークを実施してみましょう。比較対象機種としては、2.2~3.2GHzで動作する2コア/4スレッドの「Intel Core i7-6560U」を搭載する「XPS 13」(デル)を使用しました。下記がその結果となります。
RZシリーズとXPS 13の比較
RZシリーズ | XPS 13 | ||
Geekbench 3.4.1(64bit) | Multi-Core Score | 5171 | 7159 |
---|---|---|---|
CINEBENCH R15 | CPU | 204 cb | 317 cb |
OpenGL | 30.20fps | 49.89 fps | |
MHFベンチマーク第3弾【大討伐】 (1,280×800ドット、フルスクリーン) |
2506 | 6150 | |
ドラゴンクエストX ベンチマーク (1,280×700ドット、フルスクリーン) |
5892 | 10061 | |
CrystalDiskMark 5.1.2 | Sequential Read (Q= 32,T= 1) | 544.042 MB/s | 1687.815 MB/s |
Sequential Write (Q= 32,T= 1) | 514.235 MB/s | 1071.455 MB/s | |
Random Read 4KiB (Q= 32,T= 1) | 272.349 MB/s | 528.274 MB/s | |
Random Write 4KiB (Q= 32,T= 1) | 267.303 MB/s | 314.358 MB/s | |
Sequential Read (T= 1) | 500.019 MB/s | 1477.184 MB/s | |
Sequential Write (T= 1) | 450.486 MB/s | 962.123 MB/s | |
Random Read 4KiB (Q= 1,T= 1) | 42.153 MB/s | 44.738 MB/s | |
Random Write 4KiB (Q= 1,T= 1) | 100.194 MB/s | 147.658 MB/s | |
Adobe Photoshop Lightroom CC(RAW画像を50枚現像) | 3分48秒21 | 2分12秒77 | |
Adobe Premiere Pro CC[5分のフルHD動画(H.264)を書き出し] | 10分29秒78 | 7分26秒81 |
当初予想していたよりRZシリーズが健闘しているというのが率直な感想です。「Geekbench 3.4.1(64bit)」の「Multi-Core Score」は1.38倍、「CINEBENCH R15」の「CPU」は1.55倍の差しか開いていません。また、主にグラフィック性能に大きく左右される「MHFベンチマーク第3弾【大討伐】」では2.45倍、「ドラゴンクエストX ベンチマーク」では1.7倍の差が開いていますが、RZシリーズでゲームする人は少数派なはず。一般的なオフィスアプリケーションで体感的に大きな差を感じることはなさそうです。
RZシリーズはXPS 13にドラゴンクエストX ベンチマークで1.7倍のスコア差をつけられているものの、それでも「快適にプレイできる」と判定されています。つまりタイトルを選べば、ゲームも快適に楽しめるわけです |
一方、ベンチマーク結果に大きな差が表れたのはストレージ速度。RZシリーズは、シーケンシャルリードは約1/3、シーケンシャルライトは約1/2倍の転送速度に留まっています。RZシリーズはSerial ATA、XPS 13はPCI ExpressでSSDが接続されているのですが、両インターフェースの速度差が如実に表れた結果となりました。