佐賀県とJR九州は、2022年度に予定している九州新幹線西九州ルートの開業効果を高めるとともに、福岡都市圏との一体的発展による佐賀県内の魅力向上を目的とした包括的連携協定を8月16日付で締結した。
協定では、両者が連携して取り組むべき事項として、駅周辺などのまちづくり、佐賀~博多間の輸送力強化、ICカードエリアの拡大、観光開発の4項目を制定。具体的な取組み内容は今後、両者で協議するとした。九州新幹線西九州ルート開業後1年を経過する日までを有効期間とする。現時点で実施が決まっている取組みとして、佐賀駅におけるコンコースと一部店舗のリニューアル、「JRKYUSHU SWEET TRAIN『或る列車』」の佐賀コース運行などが発表されている。
佐賀駅のリニューアルは、駅利用者の利便性向上と「おもてなしの心でお迎えする雰囲気づくり」を目的として計画され、店舗リニューアルでは憩いの空間として利用できるカフェスペースを増設。従来からあるベーカリー&カフェ「トランドール」を改装するとともに、新規店舗として「シアトルズベストコーヒー」が出店する。両店舗とも10月下旬オープン予定。コンコースには9月上旬をめどにデジタルサイネージを設置し、佐賀の観光情報や地域のニュース、天気予報などを流す。南口と北口の駅名サインは白色LED化し、駅外観のイメージアップと視認性向上を図る。あわせてコンコース内の高架柱のデザインをリニューアルすることで統一感のある空間を演出する。LEDサインは10月下旬から運用開始する予定だ。
「或る列車」の佐賀コースは、特別企画として11月23日に1日限りで運行。運転時刻は午前便が佐世保駅9時49分頃発・唐津駅12時25分頃着、午後便は唐津駅14時37分頃発・佐世保駅17時35分頃着で、午前便・午後便ともに佐賀駅経由となる。
どちらもJR九州旅行が企画実施する団体ツアーとして発売されるが、詳細な内容や予約方法などは今後発表されるとのこと。JR九州は想定される内容について、「創業400年を迎える有田焼や唐津焼などの伝統文化、県内の豊富なグルメ素材、また、武雄・嬉野をはじめとする温泉など、多くの魅力的な観光素材を持つ佐賀を充分堪能いただける旅行商品を検討してまいります」と予告している。なお、「或る列車」の11月の運行に関して、佐賀コースの運行を記念し、佐賀県産のこだわりの食材を使用したメニューを検討することも発表された。