説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。『今回は、iPhoneの持ちかた次第で受信感度が変わるってホント?』という質問に答えます。

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ある意味では本当です。モデルによりアンテナの位置は異なりますが、現行のiPhone 6s/6s PlusではWi-Fi受信部は本体上部に、モバイル回線(3G/4G)受信部は本体下部に内蔵されています。その性能をスポイルしないように持つことが、受信感度を生かすうえでは重要です。

さらに、iPhone 6s/6s Plusの背面には、「Dライン」と呼ばれる線が上下に巡らされています。単なるデザインのように見えますが、線は樹脂製で電波の通り道となり、アンテナにつながる受信部としての役割を果たします。

それら受信部の働きを妨げれば、アンテナに届く電波は弱まります。手で覆い隠したり電波を通しにくい素材のケースを装着したりすると、受信感度は低下してしまいます。

つまり、アンテナの周囲(本体上部/下部)とDラインを覆うようにiPhoneを持てば、受信感度は低下すると考えられますが、現実としてそのような持ちかたは困難です。故意にDラインの部分を覆い隠すかのような不自然な持ちかたをしないかぎり、受信部の一部を覆う程度に過ぎませんから、極端に受信感度が低下することはないでしょう。

むしろ問題となるのは、ケースの素材でしょう。Dラインは側面にまで及びますから、周囲を完全に覆い隠す金属素材のケースは受信感度を低下させる可能性があります。外観や耐久性・耐衝撃性を抜きにして考えれば、バンパー型など金属製のケースよりも、樹脂製のほうが受信感度においては有利といえます。

アンテナにつながる受信部としての役割を果たす「Dライン」を覆い隠すような持ちかたをしないかぎり、受信感度に大きな影響はありません