東芝は8月4日、3次元構造のNANDフラッシュメモリ「BiCS FLASH」を初めて採用したSSD、「BGシリーズwith BiCS FLASH」のサンプル出荷を開始した。PC OEM向けの限定的な出荷だが、2016年末以降、段階的に出荷を拡大していく予定。
サンプル出荷されるSSDの容量ラインナップは、128GB、256GB、512GBの3種類。小型BGAパッケージに実装したSingle Package SSDとなる。今回のBiCS FLASHは、2016年7月15日に竣工式を行った三重県・四日市市の半導体工場(新・第2製造棟)で生産されたものだ。
3ビット/セル(TLC)の3次元NANDフラッシュメモリとコントローラーを、NVM Express(NVMe)対応のSSDとして、業界最小(東芝調べ)となる16mm×20mmのM.2 1620フォームファクタに収めた。2.5インチSATA SSDと比較して約95、M.2 2280フォームファクタと比較して約82%、面積を削減している。M.2 1620実装タイプのほか、ソケットタイプのM.2 Type 2230-S3とM.2 Type 2230-S4も用意する。
今後の採用製品としては、2in1タイプの薄型モバイルPCやタブレットを想定。こうしたデバイスで要求されるパフォーマンス、省電力性能などを実現するため、PCI Express Gen3 x2、およびNVMeプロトコルを採用した。
なお、「BGシリーズwith BiCS FLASH」の性能を引き上げるホストメモリバッファ(HMB)機能を実装したデモ機を、8月8日から11日まで米国サンタクララで開催される「Flash Memory Summit」の東芝ブースで参考展示する。ホストが搭載するDRAMの一部をSSDのフラッシュマネージメントとして使用することで、DRAM非搭載の「BGシリーズwith BiCS FLASH」の性能を向上させるとともに、DRAM搭載製品よりも低消費電力を実現することが可能になるという。