日本銀行は8月3日、6月15~16日に開催した金融政策決定会合の議事要旨を発表した。それによると、マイナス金利政策の効果や英国のEU離脱に関する国民投票の結果を見極める必要があるとの意見が出されていたことがわかった。
物価目標達成に警戒信号
同会合で委員は、国際金融資本市場において、世界経済の先行き不透明感や英国のEU離脱問題などから、「市場参加者が積極的にリスクテイクしにくい状況が続いている」との認識を共有。多くの委員が、国民投票の結果次第では「市場のボラティリティ(価格の変動性)が急速に高まる可能性がある」と指摘した。
先行きの金融政策運営の考え方について、何人かの委員は「マイナス金利政策の効果は、すでに貸出金利の低下や社債発行額の増加などにみられるが、実体経済への波及の度合いを見極める必要があり、現在の金融政策を継続すべきである」との見方で一致した。
また、何人かの委員は「英国のEU離脱に関する国民投票とその後の金融経済動向を見極める必要がある」と述べ、うち1人の委員は「物価安定の目標」の達成に警戒信号が点滅していると指摘し、「2%の達成時期が遅れる蓋然性が高くなる場合には、追加緩和により、2%達成に向けた日本銀行のコミットメントを、人々とマーケットに改めて示す必要がある」との考えを示した。
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