KDDIは2日、2017年3月期 第1四半期 決算説明会を開催した。登壇したKDDIの田中孝司代表取締役社長は、囲み取材で記者団から「LINE MOBILE」や「Pokemon GO」の影響についてコメントを求められ言及した。本稿で紹介していきたい。
LINE MOBILEは脅威
LINEが今夏~秋頃にも開始を予定しているMVNOサービス「LINE MOBILE」。これについて聞かれると、田中社長は「やはり脅威。足元だとY!mobile、楽天さんが強い。そこにLINE MOBILEが加わる。LINEさんはユーザー数も多いので影響も大きい」と不安を隠さない。そして「値下げ競争になったら、UQ mobileに頑張ってもらうしかない。auの料金体系をMVNO並みに下げると会社が傾いてしまう」と苦笑いした。
auの対抗策を聞かれると「我々の強みは、オンラインだけでなくオフラインもあること。差別化要素を活用していき、対抗していくしかない」と説明した。KDDIではau WALLETの取り組みを中心に、au経済圏を拡大している。また、サポートサービスを充実させるなどの施策にも積極的だ。こうしたリアルなユーザー体験を提供することで、LINE MOBILEにはない魅力を打ち出していくということなのだろう。
Pokemon GOの影響は?
スマートフォン向けゲームアプリ「Pokemon GO」の影響について聞かれると、予期した質問がきたとばかりに笑顔になり、「Pokemon GOについて聞かれたら囲み取材を終わらせようと思っていたの」と話して記者団を笑わせた。そして「ダウンロードが始まった日は、局地的にパケットの使用量が多いところがあった。でもその後、ネットワーク的にはほとんど影響がない」と説明した。
ネットワーク以外の影響としては、モバイルバッテリーがかなり売れたという。ゲーム中はディスプレイが常時点灯され、また通信も頻繁に行う。このため電池の使用量が増える。プレイヤーの間では、モバイルバッテリーが必需品になりつつあるようだ。このほか「古い機種を使っていた人の機種変更が進んだ。平常時の20%増も端末の売上が伸びた」と明かした。フィーチャーフォンや古いモデルのスマートフォンではPokemon GOをプレイできないため、一部の利用者の間で買い換えが進んだようだ。
ちなみにPokemon GOのリリースから1週間が経ち、今ではこれらの影響も沈静化しつつあるという。