「ウーマンウェルネス研究会 supportedby Kao」はこのほど、「代謝」に関する調査結果を発表した。同調査は6月13日~14日、首都圏在住の30~50歳代の男女679名を対象にインターネットで実施したもの。
自分は代謝が悪い(代謝が落ちてきた)と感じているか尋ねたところ、74%が「はい」と回答した。どのようなときにそう感じるか聞くと、「疲れを感じやすくなった」(59%)、「食事を減らしても体重が減らない」(56%)、「ちょっと食べるとすぐ太る」(51%)、「動かないとすぐ太る」(40%)などが上位に挙がった。
自分のベスト体形だったと思う年齢を聞くと、平均して女性は26歳、男性は25歳と回答。どの年代でも、20代半ば~後半の体形を理想としていることがわかった。理想の体形だった年齢と比べると、女性は7kg、男性は9kg増加している。
代謝を上げるために行っている対策について聞くと、最も多かったのは「なるべく歩くようにする」(50%)だった。そのほか、「食事の摂取カロリーを減らす」「炭水化物を控える」「間食を控える」などの食事を制限する対策も多い。しかし、その対策に満足しているか尋ねると67%が「満足していない」と回答した。
整形外科の中村格子医師は、代謝低下の原因として「加齢による基礎代謝量の低下」を挙げている。基礎代謝とは、食事で摂取した栄養素から、呼吸や体温維持といった生命維持のために最低限必要なエネルギーを生成することで、人の代謝全体の6~7割を占めているという。
「年齢とともに筋肉量が減ると、基礎代謝量は低下します」と中村医師。代謝量の多かった若い頃と同じ食生活をしていると、エネルギーとして消費されなかった余分な栄養素が、体脂肪として蓄えられるという。体脂肪は、お腹や二の腕などの動きが少ない場所につきやすいため、体形が崩れる原因になるとのこと。
代謝をアップするには、食事(燃料)は減らさず、エネルギーとして使う力(エンジン)を高めることが大切であるという。同研究会では、中村格子医師、管理栄養士・健康運動指導士の浅野まみこ氏監修のもと、人が本来もっている「熱産生」の働きを高めて代謝を上げる「熱トレ」をすすめている。
「熱トレ」では、食生活のポイントとして、朝に炭水化物・ビタミン・ミネラルを摂取し、代謝と排出を促すことを挙げている。基礎代謝を底上げするために、筋肉をつくるタンパク質を摂(と)ることも大切とのこと。また、規則正しい食事時間と、代謝を上げる食材を取り入れた間食を摂取することもよいという。
また、少しの努力で気軽にできる代謝アップの運動を毎日続けることも効果的とのこと。ウーマンウェルネス研究会のサイトでは、タオルを用いた運動や、トランプを使用したカードスクワットを紹介。そのほか、毎日の生活の中で取り入れられる呼吸法や歩き方、入浴方法も解説する。これらの「熱トレ」を11週間実践した20~30代の女性の多くは、筋肉量をキープしながら内臓脂肪を減らし、脂肪の代謝力も向上したという。