車内の様子を360度パノラマ写真で残そう! - 日産CUBE SHUTTER ROOMが想像以上に楽しかった

仲間と集まって一緒に撮るセルフィー(自撮り)が世界的なブームだが、自動車の車内ならではの「パノラマセルフィー」に昇華してしまったのが、日産の「CUBE SHUTTER ROOM」だ。日産自動車グローバル本社にて、世界に一台のこの車両を体験できるというので、早速訪れてみた。

36台のカメラで笑顔をゲット

自動車の車内というのは、広いように思えても実はかなり狭いものだ。最近はスマートフォンのイン側カメラでも広角のレンズを搭載して、限られた空間でも広い画角で撮影できる機種も増えてきたが、いざ撮ろうとすると、ヘッドレストなどが邪魔をして、全員をきれいに入れ込んで撮影するのはかなり難しい。実はセルフィーにはかなり不向きな空間なのだ。

今回展示されている「CUBE SHUTTER ROOM」は、日産自動車の小型車「キューブ」車内に大量のカメラを設置して、運転中の車内をグルリと360度撮影できるという仕組み。通常、パノラマ撮影というとカメラを中央に、外側を360度撮影するものが多いが、CUBE SHUTTER ROOMでは逆に、外側から内側に向かって360度撮影している。パノラマというよりは、実在のオブジェクトを台に乗せて、ぐるぐると回しながら撮影するのにも似ている。6月末から同車のテレビCMでも同様の機能が紹介されているので、すでにご存知の方もおられるだろう。

運転中でも盛り上がった瞬間を撮影できるよう、シャッターは手動ではなく、搭乗者の表情を認識して、笑顔率が100%に達したときに作動する「エモーションセンサー」が行うようになっている。撮影したデータは自動的にインターネットに配信され、その後データへのURLがQRコードで提供される。

100点満点の笑顔を検出

ムサ苦しいおっさんが一人で写っていても仕方ないので、被写体として、夏休みを謳歌中の我が家の息子二人を連れていった。この三人が乗り込んでニコニコしているとシャッターが自動で切れる、というわけだ。残念ながら展示会場では停車したままで実走行はできないわけだが、世界に一台のみという試作車両なので、この場合は仕方ない。

各シートの前には小さめの液晶ディスプレイが設置されており、席に座っている人の顔が写っている。よく見ると口の拡大映像があり、顔のあたりに数字がある。どうも表情は口だけで判断されているようで、笑う形(開いていた方がさらにいい)にすると点数が上がり、100点に達するとシャッターが切られるようだ。

ぜひ商用化を!

体験としてはこれだけなのだが、撮影された映像はまさに車内の一瞬をあますことなく切り取ってくれている。データ自体はムービーとして提供される(今回の場合はYoutube)ので、厳密には「写真」というわけではないが、セルフィーという点で、これ以上の仕組みはないという感じだ。被写体となった子供たちにも大ウケしていた。

残念なことに、このCUBE SHUTTER ROOMは商用化の予定はないという。確かに市販車のオプションとしてはあまり需要のなさそうな機能ではあるが、例えばレンタカーの一部に搭載してみるというのはどうだろうか。特に5人乗りの車両よりも、むしろ3列シートの車両のほうが、人数も多く、各列の状況が見えて面白いと思う。

CUBE SHUTTER ROOMは神奈川県横浜市の日産自動車グローバル本社ビル1Fギャラリーで、7月31日まで展示中だ(入場無料)。同ギャラリーでは現在販売中の日産車だけでなく、往年の名車やAR技術など、小さいお子様にも楽しめる展示が行われている。夏休みの思い出のひとつとして、ぜひ覗いてみてはいかがだろうか。