三菱航空機は7月29日、次世代リージョナルジェット機MRJ(Mitsubishi RegionalJet)に関するWEB情報発信ツール「MRJ Newsletter」第15号にて、7月のトピックスを発表。8月に予定している米国へのフェリーフライトに向け、1日2回の飛行試験を行い、米国飛行試験で求められる複数回/日のフライトオペレーションを実践している。
試験機2機による飛行試験は合わせて50回を超え、特に1号機は設計仕様である最大速度(マッハ0.78)、最高高度(3万9,000ft、約1万1,900m)に到達し、飛行領域の拡大を行っている。加えて現在、翼に模擬的に振動を与えても安全に飛行継続できることを確認する試験「フラッター試験」も実施している。なお、飛行試験機3・4号機は今夏の初飛行を目指し、エンジンテストへ移行した。
7月11~14日には英国ファーンボローエアショーに出展し、初日にはスウェーデン・ロックトン社とMRJ最大20機の購入に関する基本合意を発表。欧州で初めて、また、リース会社としては2社目の契約となった。ロックトン社の代表は、「比類なき性能のMRJは、騒音や排出ガス規制の厳しい欧州市場に適している」とコメントしている。会場では、客室モックアップやコックピットディスプレーなどで機体スペックをPRするとともに、映像展示やプレゼンテーションを通じて飛行試験の順調な進捗を報告した。
また、12日にはエアショー会場で記者会見を行い、北米・アジアにおけるMRJの推奨機体MRO(Maintenance, Repair and Overhaul: 整備・修理・分解点検)を担うパートナー3社の選定を発表。世界各地に複数のMROパートナーを選定する方針で、その一環として、これまでに受注のある北米で2社、アジアで1社のMRO企業をパートナーに選定した。この3社とMRJの推奨パートナー契約をすることで、高品質な機体MROサービスの提供を目指す。
三菱航空機は、「今後もMROパートナーのネットワーク拡大をはじめ、部品供給網の整備や技術サポート・トレーニングの体制構築等を進め、カスタマーサポート体制の強化と拡充に努めてまいります」とコメントしている。
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