クレイア・コンサルティングはこのほど、M&A(合併や買収、組織再編)に関する意識調査の結果を発表した。調査は4月15日~17日、被買収企業で働いている(または働いていた)正社員400名を対象に、インターネットで行われた。

M&A発表後3年未満で2割が退職

「M&A発表時の課題について」

調査ではまず、M&Aを発表する際の課題について調査を実施。「M&Aの発表を聞いて、転職という選択肢も頭をよぎったか」と尋ねたところ、42%が「(どちらかといえば)あてはまる」と回答。実際に、社員の約1割がM&A発表から「1年未満で退職」しており、さらに、「1~3年で退職した(10%)」という人を合わせると、およそ2割がM&A発表後3年未満で退職していることがわかった。

「M&A発表の際に不安を感じたこと」

そこで、M&Aが発表された時に不安を感じたことについて教えてもらったところ、「自分の給与や賞与がどうなるか(57%)」がトップに。次いで「会社や事業の方向性がどうなるのか(56%)」「業務の手続きやシステムが変わるかどうか(56%)」と続いた。

ちなみに、実際に転職を考えた人に限ってみると、1位は「会社の事業の方向性がどうなるのか(82%)」だった。

43%が「M&Aは有効ではなかった」と回答

「M&Aは有効だったか」

次に、ポストマージャーの課題を探るため、転職せずにとどまった人に対し、「M&Aはあなたの会社の存続・発展のために有効だったと思いますか?」と質問した結果、4割超が「有効ではなかった」と回答した。

「M&Aが有効でなかったと思う理由」

M&Aが有効でなかったと思う理由については、「社内の雰囲気が悪くなった(51.7%)」が最も多く、次いで「それまで会社が持っていた強みや良さが失われた(40.8%)」「優秀な社員が流出した(40.8%)」と続いた。