トレンド総研はこのほど、「夏のプリン体対策」についての調査結果を発表した。同調査は6月9日~13日、30~50代の有職者男女500名を対象にインターネットで実施したもの。
まず尿酸値を気にしているか尋ねたところ、39%が「気にしている」と回答した。特に男性は女性に比べて「気にしている」人が多い傾向にあり、男性のみに絞るとその割合は49%と約半数にのぼっている。
夏は尿酸値が上昇しやすく、より一層の対策が求められる時期であるという。ただ、夏に尿酸値上昇のリスクが高まることを知っているか聞くと、77%は「知らなかった」と回答。「知っている」はわずか23%となっている。
尿酸値は「プリン体」の過剰摂取によって上昇する場合がある。痛風や「高尿酸血症」など、主に尿酸を原因とする病気のリスクが高まるため、プリン体の対策が近年は重要視されているとのこと。医学博士で秋葉原駅クリニック院長の大和田潔先生によると、プリン体は細胞の遺伝子(DNA)を構成する物質で、肉・魚・穀物・野菜などのさまざまな食品に含まれているという。
体内のプリン体は肝臓で分解され、尿酸に変化して排せつされる。健康な人であれば、体内でつくられる尿酸と排せつされる尿酸の量はほぼ同じだが、何らかの原因でバランスが崩れると、体内の尿酸の量が増えすぎてしまう。血液中に尿酸が増えると高尿酸血症となり、関節内でトゲトゲした形に結晶化すると痛風を発症してしまうとのこと。
大和田先生は血液中の尿酸の濃度は尿酸値で表され、健康な人であれば6.0mg/dL程度としている。この値が8.0mg/dLを超えると、いつ痛風を発症しても不思議ではない状態になり、一度発症すると再発の可能性が高くなるとのこと。
尿酸値は遺伝にも左右されるが、プリン体を多く含む食品を多く摂取すると、体内の尿酸の量を増やすことにつながる。プリン体は、細胞数の多いものや細胞分裂の盛んな組織に多く含まれており、一例として魚卵やレバーが挙げられる。うま味成分にあたり、水溶性のため、煮干しやかつお節、干ししいたけのだしにも含まれている。
「夏は汗をかいて体内の水分が奪われるため、血中の尿酸の濃度が高くなりやすい季節です」と大和田先生。対策にあたってまず重要なのは、水分をしっかり摂(と)ること。尿酸の排せつを促し、痛風の予防に効果の高い成分には「クエン酸」「ビタミンC」「葉酸」がある。これらが含まれる食品を摂取するのもおすすめとしている。